みなさんは、「蘇」をご存知でしょうか?日本史を学んだ人なら知っているかもしれませんが、日本最古の乳製品、古代のチーズとも呼ばれているもの。その「蘇」をホワイトデーに貰った、という人のツイートが、古代史ファン以外からも注目されました。

「今日の朝ごはんは、ホワイトデーと言う事で昨夜彼氏が、私に初めて作ってくれたお菓子、“ 蘇 (そ) ”でした。 もう一度言います。彼氏が 初めて作ってくれた お菓子 蘇 (そ) です」

 と、彼氏さんからのプレゼントを写真とともにツイートしているのは、ツイッターユーザーの“吐血寝子”さん。そこに写っている食べ物は、ういろうのような、すあまのような、しっとりとした見た目で薄黄色がかったものを食べやすくカットしてあるもの。吐血寝子さん、お付き合いして10年になる彼氏さんに初めて手作りのお菓子を貰ったそうですが、なぜそのチョイスにしたのか……???

 これを見た人たちからは、「古の食べ物って想像するだけでワクワクする」「ものすごく食べてみたい」「まさか作る人がいるとは…!」と、気になっている人が多数の様子。平安時代に編さんされた“延喜式”にレシピが記されるという食べ物。それが再現されているとなると、味は気になるところ。吐血寝子さんによると、「むにむにしてて、おしどりミルクケーキのもうちょい甘さ控えめのような、チーズっぽいような感じ」との事。ちなみに、おしどりミルクケーキは、板状のお菓子で牛乳からそのまま水分を抜いて甘味を足したような素朴な味わいのお菓子。筆者、個人的に結構好きです。

 「なぜ蘇を作ろうと思ったのか」という疑問を吐血寝子さんが彼氏さんに投げかけたところ、「昔から蘇の存在は知ってて…気になっていたから作った」とのお返事。まさかのホワイトデーのプレゼントにしてしまうというこのセンス、アリです。そして、ひたすら牛乳を焦がさず30分以上かき混ぜ煮詰めたというこの「蘇」、作った後は手が軽い腱鞘炎状態だったらしく、プレゼントの包みに添えた紙に書いた「蘇」の字が少し震えてしまったと言っていたそうです。彼氏さん、よく頑張りました……。

 「蘇」自体は、牛乳のみをひたすらかき混ぜながら塊になるまで加熱すればできるそう。時間と手間はかかるものの、普通にその辺で売っているもので古代の味が再現できるなんて面白そうです。時間と牛乳を持て余している時に作ってみるのもいいかもしれませんね。

<記事化協力>
吐血寝子さん(@DDolls39)

(梓川みいな)