外国人女性が前髪を作らない理由
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先日、ある女性から「日本では前髪を作っている女性もいるけど、ヨーロッパではあまり見かけないのは、どうしてですか?」と聞かれました。確かにファッション同様、髪形に関しても国によって傾向というのがやっぱりあるのですね。今回は、日本と比べながら世界の髪形事情にスポットを当ててみます。
前髪を作ると……
さっそくタイトルにもある「前髪」についてですが、確かに考えてみると、ドイツを含むヨーロッパでは前髪を作っている成人女性はあまり見かけません。そう、「成人女性」と書きましたが、まさにそのあたりに理由があります。
というのは、前髪を作ると、おでこが広い人は、いわば顔の半分近くが隠れてしまいます。そうすることにより、顔は「幼い」印象になります。
ところがヨーロッパでは、ファッションも髪形も「大人の雰囲気」をもつ女性が支持されますので、「かわいく見せたり」「子供っぽく見せたり」というような“おしゃれ”からは足が遠のく傾向があるのです。
前髪を作るのは子供だけ?!
ちなみにドイツ語で前髪は「ポニー」と言いますが、その言葉通り、前髪は子馬を連想させます。この言葉からは、「小さい女の子」をイメージします。実際にドイツでは、子供や思春期の少女が前髪を作った「ポニー姿」を見かけることはよくあります。しかし、「大人っぽくなりたい」という年齢になると、多くが前髪とは“おさらば”します。
ただ、前髪を作らないのは、欧米人の場合、髪の毛が柔らかく、元々ウェーブがかかっているという髪質も実は関係しています。日本でよく見かけるような「直毛でまっすぐ整った前髪を作る」ことが難しいのです。
ところで、ひとつイジワルなことを言っていいですか。筆者サンドラの偏見かもしれませんが、上目使いをする女性は前髪を作っている印象があります。考えてみれば、上目づかいも前髪もある種の「幼さ」や「弱さ」をアピールするものなので、つじつまが合いますね……って私、なんだかものすごく感じの悪いことを書いちゃっていますが、私も前髪を作らない保証はないわけで……そのときはどうか許してくださいね。
世界のカラーリング事情
日本では、黒髪を茶色に染めるカラーリングがだいぶ前から主流ですよね。何年か前に、ニッポンの美容室で「髪を真っ黒に染めてください」と言ったら、美容師さんに「今時こんな色(真っ黒)に染める人は珍しいですよ」なんて言われてしまったぐらい、茶色くカラーリングすることは常識というか、時代の流れのようです。
実は、ヨーロッパでも多くの女性が髪を染めています。何か月かに一度、髪を違う色に染める女性もいるぐらいで、「髪を染める」ということについては、欧米人女性のほうが冒険している印象があります。というのも、赤毛にしてみたり、黒髪にしてみたり、ベージュのかかった金髪にしてみたりと、とにかく色のバリエーションが豊かなのです。
これは見ている側も楽しくて、「この人は髪をこの色に染めてから、何色の服が似合うようになったな」といった発見があったりします。
ワンシーズンごとに別の髪色?
「何か月かに一度、髪の色を変える女性もいる」と書きましたが、人によってはまさにワンシーズンに一度といった感じで髪の色を変えるのは、日本でいう「衣替え」のようなものかもしれません。
ところでドイツの場合、家族や友達に髪の毛を染めてもらったり、器用な人は自分で染めたりと、必ずしも美容室で染めてもらうとは限りません。これは、元の髪色が明るめだと染まりやすいという事情もあるようですが、髪を染めるのが日常的であることとも関係していそうです。
髪の色でモテ方が変わる!?
以前、ドイツ人の女友達と話していて盛り上がったのは、「髪の色を変えると、今までとは違う男性にモテるようになるよね」というもの。
日本ではあまり見られない現象ですが、ヨーロッパの男性は「黒髪の女性が好き」だとか、「金髪が好き」「濃い茶色の髪が好き」などと、容姿の好みを語るときに「髪の色」が登場することが多いのです。
そんな背景もあってか、「モテ」が目的ではなくても、女性が髪を染めると、今まで声をかけてこなかったタイプの男性が声をかけてきたりするので面白いです。もちろん、これは逆もしかりで、女性側も「髪が黒い男性が好き」などと自分の好みについて語るなど、異性にまつわる会話には「髪の色」がよく登場するのでした。
髪の話から「モテ」の話に飛んでしまいましたが……髪にまつわるいろんな「あるある」は次回も続きます。