あきらめない!35歳からの転職

転職「35歳限界説」今は昔…30代、40代がキャリアアップする方法

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

年齢を重ねるにつれ、ハードルが高くなる転職。かつては「35歳限界説」も唱えられていましたが、コロナ禍を経て中途採用市場が回復している今、チャンスは広がっているといえそうです。キャリアコンサルタントの山本しのぶさんが、30代、40代で転職に成功するための戦略をアドバイスします。

ホワイトハラスメントとは?川口春奈主演ドラマで注目、専門家が解説

年齢を理由に、叶えたいキャリアをあきらめますか?

「正社員で働いているけれど、これから定年まで、ずっと今の会社で仕事をするのかな」
「将来を考えると、本当は正社員で働きたい。でも今から正社員になるのは、年齢的にムリだよね」

写真はイメージです
写真はイメージです

あなたは、今の仕事や雇用形態に不満や不安を感じながらも、年齢的に「もう転職は難しい」と、心にフタをして毎日を過ごしていませんか?

あなたがもし今35歳で、65歳まで仕事を続けると考えた場合、残りの仕事人生はまだ30年あります。社会人になってから今まで働いてきた期間の約2倍の時間を、定年まで働いて過ごすことになるのです。

これからあと30年もある、仕事人生。年齢や転職活動の難しさを理由に、やりたい仕事や希望の雇用形態へのチャレンジをあきらめますか?

35歳、あるいは40歳からでも、転職活動に成功することは十分に可能です。ただし、35歳以上の転職活動は、20代や30代前半の転職活動とは企業から求められることが違います。

年齢による転職活動の違いを意識せずに35歳から活動し始めると、求人に応募しても面接に全然進めずに「こんなはずじゃなかった!」と焦ったり、「やっぱり転職はムリなのかな」と落ち込んだりすることにもなりかねません。

35歳からの転職活動で内定率を上げるためには、まずは20代(~30代前半)と、35歳からの転職活動の違いを意識することが大切です。

大前提として、35歳以上の求人は、20代に比べると少なくなります。また、20代のうちは未経験でもポテンシャルが評価されることがありますが、35歳からは実務経験のある即戦力が求められます。

35歳からの転職活動で成功するためには、まずは「20代から30代前半の転職活動」と「35歳からの転職活動」は「別もの」という意識を持つことが大切です。

20代の転職活動では、なんとなく書いた履歴書・職務経歴書で書類選考に通過しても、35歳からの転職活動では、同じレベルの書類で応募すると、書類選考の通過率はガクッと下がります。そのため、35歳からの転職活動に成功するためには、〈1〉面接官に「即戦力になりそう」と思ってもらえる職務経歴書を作成する〈2〉ほかの応募者と差別化できる志望動機を伝える〈3〉応募先で生かせる経験や仕事への意欲を面接で効果的にアピールする――などの戦略や工夫が必須です。

今の年齢や経験のままでも、転職に成功する可能性は十分!

あなたが今、35歳であっても40歳であっても、または、これまでの経験に自信がなくても、派遣社員や契約社員の経験が長かったり、職歴にブランクの期間があったりしても大丈夫です。

あなたに合う方法で転職活動を行い、応募書類や面接であなたの経験や強みを応募先にあわせて具体的にアピールできれば、書類選考や面接の通過率は上がり、内定につながります。今のあなたの年齢や経験のままで、転職に成功する可能性は十分にあるのです。

強みを具体的にアピールし、転職に成功

ここで、30代後半で転職に成功した女性のケースをご紹介しましょう。派遣社員から正社員への転職を希望して、転職相談に来られたA子さんです。

30代半ばに派遣社員から正社員を目指して、自身で転職活動をしましたが、内定が出ずに正社員を断念し、再び派遣社員として転職しました。その後、2~3年たって「やっぱり今後を考えると正社員に転職したい」と思い直し、転職相談に来られました。

転職相談でこれまでの仕事の話を聞くと、A子さんは、任された仕事をやり遂げるために周りと積極的にコミュニケーションを取ったり、仕事のやり方を改善するために上司に提案したりするなど、自発的に仕事に取り組んできたことが分かりました。そこで、コミュニケーション能力や業務改善への取り組みなど、A子さんの強みや仕事で工夫してきた点を職務経歴書で具体的にアピールし、応募先の仕事でも活躍できるイメージが伝わるようにしました。志望動機も応募した企業ごとにしっかりと内容を落とし込み、退職理由では一貫性のある前向きな理由を伝えられるようにした結果、A子さんは志望した企業に正社員で採用されました。

年齢が上がり、派遣社員の経験が長くなっても、応募書類や面接であなたのこれまでの経験や仕事への意欲を効果的にアピールできれば、転職に成功する可能性は十分にあります。

ほかにも、40代前半で転職回数の多い女性が再び転職に成功したり、40代半ばの女性が契約社員から正社員で採用されたりするなど、35歳以上で転職に成功した事例はたくさんあります。

「もっと自分に合う社風の会社で働きたい」
「もっと仕事を通じて成長したい」
「やっぱり正社員に転職したい」

あなたがキャリアで本当は (かな) えたいことがあるのなら、「35歳だから」「40歳だから」と年齢を気にして転職活動にチャレンジする前にあきらめるのは、もったいないです。

これからの人生では、今のあなたが一番若いのです。「あのとき、頑張って転職活動をしてよかった」。そう思えるキャリアを歩むために、今、頑張って転職活動にチャレンジしてみませんか? 次回は、自分に合った転職方法の見つけ方についてご紹介します。(キャリアコンサルタント 山本しのぶ)

プロフィル

山本しのぶ
山本しのぶ(やまもと・しのぶ)
キャリア・バリューズ代表、キャリアコンサルタント(国家資格)
同志社大卒。IT企業に入社後、転職エージェント会社に転職。キャリアアドバイザーとして、女性の転職サポートなどに携わる。その後、金融機関に転職して人事を経験し、2012年に独立。20代~40代の女性顧客をメインに、就職・転職相談、キャリア相談を行っている。プライベートでは、1児の母でもある。著書に「アラフォー女性のための次こそ成功させる転職マニュアル 30代・40代からでも正社員になれる!」(つた書房)。
スクラップは会員限定です

使い方
「大手小町」の最新記事一覧
記事に関する報告
4811263 0 大手小町 2023/12/08 06:00:00 2023/12/08 14:45:27 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/12/20231205-OYT8I50022-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)