大学入学式に親同伴が過半数「マザコン」「過保護」批判は時代遅れ?

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新年度が始まり、各地で大学の入学式が執り行われています。日本武道館(東京都千代田区)では、4月2日の東京電機大学を皮切りに、法政大学、帝京大学グループ、専修大学、東洋大学、明治大学、日本大学、東京理科大学と9日まで続き、12日には東京大学の入学式が開催されます。各大学はインターネットで入学式の模様をライブ中継する一方、同伴した親の入場案内などもしています。18歳で「成人」になる今の時代の大学入学式、親も参加するのは当たり前なのでしょうか。

母やめたい…母の日なのに「ありがとう」すらない母たちの嘆き

発言小町では、息子が今春合格した大学で入学式があったばかりという「ちょこれいと」さんが、「大学入学式 息子の不機嫌」というタイトルでトピックを立てました。合格した国立大学の入学式が開かれたのは、地元の市の大ホールで、会場の外には、入場を待つ新入生や保護者らの長い列ができていたそう。母親のトピ主さんと一緒に並んでいた息子は、不機嫌そうに腕組みをし、話しかけても無視。後方に友達を見つけると、トピ主さんを置いてそちらへ行ってしまいました。

式が終わると、息子は友達と入学式の看板の前で写真撮影。撮影が終わるまでずっと待っていたトピ主さんは、「息子と看板の前で写真を撮りたいですが、拒否られるのがわかっていますので、誘いもしません」と言います。帰宅後、不機嫌だった様子をとがめると、息子は「親と一緒にいたくないから」と突っぱねました。

このトピには、50件を超える反響があり、大学の入学式に親が出席するかどうか、賛否それぞれの意見が寄せられました。

えっ?大学の入学式に親がついて行くんですか

写真はイメージです
写真はイメージです

「えっ?」と驚きをタイトルにした「本当にいた」さんは、「大学の入学式に親がついて行くんですか? 私の大学の入学式は日本武道館で20年以上前のことですが、親子で参加なんていませんでした」と平成時代の“常識”を強調。「息子さんの気持ちがよくわかります」と親を疎ましく思うトピ主さんの息子に共感を示し、トピ主さんに「これからは子離れ頑張りましょう」と呼びかけました。

同じく20年ほど前の懐かしい思い出を書き込んだのは、「べるる」さん。今年39歳になる息子の大学入学式には、「来なくていい」と言われたので行きませんでした。「親が行かなくてもいいか」と自らに言い聞かせたものの、寂しさを感じたといいます。ほんの1か月前の高校の卒業式の時には、息子の友達たちと談笑しながら登下校をともにしたばかり。「大学という新しい環境に入る彼の気負いがあったのかもしれません」とつづり、息子の成長を振り返ります。

「今が大変」さんは、昨年の娘の大学入学式での体験を書き込みました。「来て、来て」と娘に懇願され、入学式に行ったそうです。入学式前に行われたアンケートでは、親同伴は全体の8分の1ほどと少数派。娘は友達とインスタグラムのための写真を撮るのに忙しく、親は邪魔者扱いだったとか。「男の子は親同伴の子は過保護とか親離れしてないとか、マザコンと言われてました」とも明かしています。

大学入学式の家族参加は過半数

2023年度入学式の参加状況、本人参加は95.0%、家族の同行は全体の56.8%(全国大学生活協同組合連合会の「2023年度保護者に聞く新入生調査」より)
2023年度入学式の参加状況、本人参加は95.0%、家族の同行は全体の56.8%(全国大学生活協同組合連合会の「2023年度保護者に聞く新入生調査」より)

全国大学生活協同組合連合会が2007年から実施している「保護者に聞く新入生調査」の2023年度の調査結果(133大学、1万9664人回答)によると、2023年4月に行われた入学式で、新入生本人の参加は95.0%で、家族の参加は56.8%に上りました。

入学式の参加を巡っては、家族参加が52.9%だった2011年以降、保護者の同伴割合は上昇傾向にありました。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で、入学式の開催を見送る大学が多かった2020年は本人参加が2.5%、家族参加が0.4%に落ち込みました。コロナ禍による入場制限などが続いた2021年と2022年も、家族参加は1~2割程度にとどまり、2023年は4年ぶりに、入学式に参加した新入生の過半数が家族も参加しました。

子どもの晴れ姿に立ち会いたいという親心と、自立心が芽生えた子どもとの距離感に腐心する親もいます。

息子の大学入学式に参加した経験がある「目玉焼き」さん。「行きも帰りも別々で、写真など一枚もないですよ。男の子なんてこんなものでは」と割り切ります。一方、娘の大学入学式の時には、帰りにプリクラを一緒に撮ったそうです。「一緒にいるのが恥ずかしいって思う男の子はあんがい多いです。そのうち落ち着くと思いますので、期待するのはやめて見守ってあげて」とトピ主さんにアドバイスします。

最近では、保護者に入学式の招待状を送る大学もあるようです。息子が国立大学に入学した「ヨーコ」さん。「保護者宛てに大層な招待状をいただき、入場整理券2枚が同封されていました」と言い、夫婦で顔を見合わせ、「親が行くの?」と半信半疑だったそうです。保護者懇談会も用意されており、行ってみたところ、参加している親も多く、時代の変化を体感したようです。

「高校卒業くらいの年にもなれば、今までの感謝、大学入学には学費や受験などを支えて応援してくれたことへの感謝などを理解できる年齢だと思う」と語るのは「なす」さん。「親と一緒のところを見られるのが恥ずかしいのかもしれませんが、入学式は節目だし、写真はその日にしか撮れない。作り笑いでもいいから写真撮りたいですよね」と率直な気持ちをつづります。

この4月に大学や専門学校に進学した当人にとって、入学式は晴れの門出。親にとっては子どもの巣立ちの日です。巣を飛び立つ姿を見送るのがいいのか、もう少し先まで見守るほうがいいのか。いずれにせよ、どこかのタイミングで子どもの背中を押してあげることが親の大切な役目なのに違いありません。

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)

【紹介したトピ】 大学入学式 息子の不機嫌

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5236085 0 大手小町 2024/04/09 12:17:00 2024/04/09 12:17:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/04/20240409-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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