社会

「値上げに理解を」 経営の限界にきている飲食店にポスター

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 何から何まで値上げ。消費者は愚痴をこぼしながらお財布のひもを締め気味にするしか手はない。でも愚痴は独り言。売る方だって大変なのは百も承知だ。日本飲食業経営審議会(東京)は、原材料費や人件費の価格高騰などを受けて、飲食店の値上げに対して消費者の理解を促すポスターを制作、全国の飲食店に配布した。

 「仕入れコスト急上昇」「電気代上昇」「不動産価格上昇」「猛暑」といった単語を背景に「飲食店の価格改定 ご協力ください」と書かれたポスターで、経営の限界にきている飲食店の値上げに理解を求める。

 大手チェーンの飲食企業各社がコスト高をうけて値上げを発表する中、中小、個店の飲食店は、客離れを懸念してなかなか値上げに踏み切れないところが多い。消費者の理解はもちろん、中小の飲食店経営者側も、売り上げ至上主義を脱却して利益を見直し、倒れる前に値上げに踏み切る勇気を持ってほしいという意図も込めた。

 コロナ禍で「あの店がなくなった」という会話はまだ続いている。水際対策も緩和され、少しずつ“コロナ後”が見えてきている今、食べ慣れた「あの店」がなんとか苦境を乗り切ってくれればと、消費者も応援している。