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【第55回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

恐怖の実話、テロリストに占拠された五つ星ホテルからの脱出劇!

公開日 2023/03/24 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2018年製作の『ホテル・ムンバイ』をご紹介します!

『ホテル・ムンバイ』(2018年・オーストラリア/インド/アメリカ)
(配信:Netflix / U-NEXT)

『ホテル・ムンバイ』Blu-ray:5,280円(税込)/ DVD:4,290円(税込)発売元:ギャガ 発売元:ハピネット・メディアマーケティング

2008年に起きたムンバイ同時多発テロにより占拠されたタージマハル・パレス・ホテルからの脱出劇を、デヴ・パテル主演で描いた真実の物語。インドの五つ星ホテルが武装したテロリスト集団に占拠される。絶望的な状況の中、アルジュン(デヴ・パテル)ら従業員たちは、ホテルから逃げ出すことなく宿泊客を救う道を選ぶのだが…。

(C)2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC

銃の所持が禁じられている日本に住む限り、テロの脅威に晒される可能性は極めて低い。が、たとえ海外在住者であろうと、テロの脅威に晒される危機感を抱いて生きているとは限らない。だからこそ、登場人物たちの心に寄り添うことが可能であり、日常が非日常へと切り替わるその瞬間を自分事として受け止められる。そして、宿泊客を神と崇め日々働くホテルマンの覚悟と誇りを垣間見る。

(C)2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC

それらは創作上のものではなく、生存者への度重なるインタビューや当時の記録を徹底的にリサーチした上で描かれているもの。死と隣り合わせの状況下で、自分より他人を思いやり行動を起こした者たちの勇気を前に、あなたの心は何を思うだろう。長年事件の首謀者が捕まらぬままであったが、2022年、首謀者とされるサジド・ミールがパキスタン当局に拘束された。続報が待たれる…。

(C)2018 HOTEL MUMBAI PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SOUTH AUSTRALIAN FILM CORPORATION, ADELAIDE FILM FESTIVAL AND SCREENWEST INC
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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