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池脇千鶴主演『その女、ジルバ』は“おばドラ”ブームの端緒だ

(AFP=時事)

(AFP=時事)

 放送回を重ねるごとに話題を振りまく、池脇千鶴主演の深夜ドラマ『その女、ジルバ』(フジテレビ系)。物語の舞台である熟女バーの魅力を、ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が語り尽くす。

 * * *
『その女、ジルバ』が人気だ。2016年にスタートした東海テレビ制作の“オトナの土ドラ”枠で、初回放送視聴率の歴代1位(関東世帯視聴率6.3%)を記録後、物語が終盤を迎えつつある中でもその勢いは全く止まらない。連続ドラマでは中盤を迎える前に脱落していく視聴者が多い中、この作品は絶えず話題を提供し続けている。これはゴールデンタイム放送のドラマにも見られない、稀な状況だ。

 ブームを牽引しているのは、主演の池脇千鶴さんの影響力がまず挙げられる。久々のドラマ出演、敢えて薄幸そうにしたドラマ用のビジュアル。話題作りのために並べられた素材だけではなし得ることのできない、名女優ならではの訴求力を見せている。

 それからもうひとつ、この作品に引き込まれてしまう理由に、草笛光子さんらをはじめとする“ジルババ”こと熟女優たちの存在もある。作品で楽しそうにしている彼女たちを見ていると、新たなブームの到来を感じる。その魅力について綴っていきたい。

“おじドラ”から“おばドラ”へ ブームは確実に動いた

 ここ数年、エンタメ界では“おじドラ”ブームが続いている。記憶に新しいところでは『おっさんずラブ』(テレビ朝日系・2016年)だろう。吉田鋼太郎さん演じる黒澤武蔵の恋する姿に女性視聴者は笑うだけではなく、萌えさえも覚えた。それから『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系・2016年〜)シリーズも同じく、50オーバーの名脇役たちが大活躍。この2作品はドラマ枠にとどまらず、映画化も実現している。 

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