人材定着成功へ3つの行動/川越社会保険労務士事務所 所長 川越 雄一

2021.09.05 【社労士プラザ】
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川越社会保険労務士事務所 所長 川越 雄一 氏

 多くの会社では採用後の人材定着が大きな課題となっている。筆者が社労士を30年やってきて思うのは「人材定着に不思議な成功あり、不思議な失敗なし」ということだ。つまり、たまたま成功することはあっても、たまたま失敗することはないのである。

 成否を決定付けるポイントは次の3つだが、これらを愚直に実践している会社において定着の悪い会社に今まで出会ったことがない。

① 信頼される前にこちらから信頼する

 入社したばかりの新入社員を、全面的に信頼するというのは難しいかもしれない。しかし、採用された新入社員側も同じことであり、会社の方から歩み寄ることも必要だ。

 会社から「信頼していますよ」と言われれば、その信頼を裏切るようなことはしないものである。それどころか、その信頼に応えようと頑張るものだ。相手から信頼される前に相手を信頼することが重要なのである。

 既存の従業員についても、「あなたに任せていれば安心」というひと言は何よりも嬉しいものだし、これがお互いの信頼関係をグンと強める。

② 法律を守る

 従業員を雇用するというのは車の運転と似ている。ドライバーを会社、歩行者を従業員に置き換えてみれば、分かりやすいのではないだろうか。確かに労働関係法の中には「何もこんなことまで」と思うようなものも多い。しかし、車の運転と同じで従業員の雇用は法律で義務付けられたものではなく、事業に必要だから経営者の希望で雇用している。だから、法律上の制限を受けるのは仕方がない。

 また、会社が法律を守るというのは従業員にとってはセーフティーネットであり、それがあるからこそ会社に安心感を持つし、安心感あってのやりがい、働きがいである。

③ 少々のことは割り切る

 従来から中小企業にはいろいろな人が入社してくる。とくに今は求人難であり、採用時に選り好みできない会社も少なくないので、中には少々問題のある人もいるかもしれない。

 しかし、そもそも人材の採用・定着・育成というのは投資のようなもので、たとえ面接などで念入りに選考したとしても絶対的な成功というのはあり得ず、割り切ることも必要である。

 つまり、少々問題のある人を採用しても、問題を顕在化させないように会社が脇を固めて隙をみせないことが肝要だ。仮に問題のある人であっても、隙のない会社では問題を起こしにくいものである。

川越社会保険労務士事務所 所長 川越 雄一【宮崎】

【webサイトはこちら】
https://www.kawagoe-roumu.jp/

令和3年9月6日第3319号10面 掲載

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