クライマックスの演奏シーンを前に、ピアノを使った撮影に臨む伊原剛志さん(右)=佐賀市川副町

 クランクインから3週間がたち、撮影はいよいよ終盤。9日からは、主演の伊原剛志さんがリストの難曲「ラ・カンパネラ」を演奏するクライマックスシーンに向けた撮影が始まった。

 佐賀市川副町のノリ小屋に組まれたセットに、ピアノが運び込まれたのは前日夜。大空眞弓さん演じる元ピアニストから託されたピアノが自宅に届く設定で、伊原さんが漁師仲間と抱き合って喜ぶシーンや、ピアノ調律師が訪ねてくる場面などを撮った。

 伊原さんは、ピアノを撮影するカメラのアングルを提案していた。口数が少なめで緊張感も漂ったが、練習を重ねてきたピアノへの熱い思いが感じられた。

 伊原さんが話す佐賀弁のせりふに、違和感は全くない。息の合った撮影現場からは、12日を予定するクランクアップに向けた高揚感も伝わってきた。(坂本有佐)=おわり