財務金融委員会で質疑に立った、立憲民主党の原口一博衆院議員=衆院分館

 立憲民主党の原口一博衆院議員が10日、財務金融委員会で質疑に立った。日銀が3月に大規模な金融緩和策の柱だったマイナス金利政策の解除を決めたことに関し、「実質賃金は23カ月連続でマイナスとなっている。どこが賃金と物価の好循環なのか」と批判した。

 日銀はマイナス金利解除に際し、今春闘の平均賃上げ率が5・28%と33年ぶりの高さだったことを判断材料の一つとしていた。原口氏は「春闘というが、それは労働組合がある所。私たちは労働組合がある会社だけでなく国民を見ている。実質賃金23カ月連続マイナスというのは異常で、見ている世界が違うのではないか」と、賃上げが広く波及するかどうかは予断を許さない状況だと指摘した。

 日銀の植田和男総裁は、昨年の春闘でも一定の賃上げ率となったが、「もう少し広い意味での、経済全体の賃金の上昇率が、思ったほど上がらなかったのは事実」との認識を示した。その上で「そういう要素を割り引いたとしても、今回の高い春闘の結果から、本年度は経済全体でかなりの賃金上昇が見込まれる」との認識を示した。(大橋諒)