<高校野球>13年ぶり! 花咲徳栄が4度目V 打線爆発、先発全員安打で昌平に20―6 熊谷商戦が転機に

花咲徳栄―昌平 4回表花咲徳栄無死満塁、田島が右前に適時打を放つ=5日、県営大宮球場

 (最終日、5日・県営大宮)

 高校野球の春季埼玉県大会は5日、決勝を行い、Aシード花咲徳栄がAシード昌平に20―6で大勝して、13年ぶり4度目の頂点に立つとともに、秋春制覇を成し遂げた。

 花咲徳栄は三回までに阿部の中前適時打などで5得点。5―1の四回に無死満塁から田島が右前に適時打を放つなど8安打、4四死球で一挙10点を奪いリードを広げた。七回には田島の走者一掃の中越え適時二塁打などで4点を追加するなど攻撃の手を緩めなかった。

 花咲徳栄と昌平は関東大会(18~21、25、26日・群馬)に出場。ともに2回戦から登場し、昌平は18日に武相(神奈川1位)と、花咲徳栄は19日に山梨2位と対戦する。

■打力で圧倒、王座奪還

 昨秋王者の花咲徳栄が圧倒的な打力で13年ぶりに春の王座に返り咲いた。21世紀に入って春の決勝では最多となる20得点。岩井監督は「芯で捉えてつながる怖さが大事。連続でいって途切れないというのを実行してくれた」と攻撃の形を評価した。

 8本の単打で10得点した四回の攻撃に神髄が見えた。無死満塁とすると田島、横山が連続適時打、さらに3連続四死球で走者を1人ずつ本塁に迎え入れた。得点を重ねても個々に隙がない。主将の生田目は「ランナーからプレッシャーをかけてチャンスをつくった」と、打つだけではない分厚い攻撃を繰り返した。

 7安打4得点と今大会唯一、1桁安打に抑えられた準々決勝の熊谷商戦が転機となった。「力を出し切れなくて一回リセットした」と4番石塚。低くて強い打球を意識したことでつながりが生まれ、決勝での先発全員安打につながった。

 4安打3打点と活躍した横山は「冬に百発百中で芯に当てることを意識してミート力が上がった」と強打の要因を語った。握力強化でスイング力を磨き、打球の方向、角度にもこだわった成果が実を結び始めている。

 勝利に目頭を熱くした生田目は「ずっと勝って関東に行こうと言っていた。埼玉1位として自信を持って勝負できる」と臆することなく関東の強豪と対峙(たいじ)する。

花咲徳栄―昌平 4回表花咲徳栄1死満塁、横山が右前適時打を放つ。捕手白坂
4回表花咲徳栄無死満塁、昌平の2番手大橋(左)が3番手木下にマウンドを託す

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