◆散歩コース◆

体力度:★★☆
難易度:★★★

  • 登山シーズン 4月~6月、9月~11月中旬
  • 最高地点 910m(中間道途中)
  • 歩行開始地点 480m(妙義神社参道入口)
  • 歩行時間 4時間5分
  • 歩行距離 約8.5km

 

スタート
妙義神社参道入口
参道を歩いて妙義神社へ寄り、神社から右手の道へ。妙義紅葉ラインの車道歩きを40分ほど。

金鶏橋
橋から展望のない登山道に入る。中間道へ上がる大人場(おおにんば)から一本杉へ。

一本杉
一本杉にはベンチやテーブルあり。筆頭岩を見ながら休憩。再び車道に出て、進むと石門入口。

石門入口
第一石門の先にトラバースするカニノヨコバイ、第二石門へはクサリで上りクサリで下る。その先で片手サガリのクサリ場を下降。

第四石門
休憩所となっている第四石門から大砲岩への分岐。緩い下りから大岩の下をくぐり鉄梯子を下りる。

東屋
大人場への分岐あり。先に中間道の中間にある本読みの僧を過ぎ、覆いかぶさる岩の下を抜けて分岐へ。

タルワキ沢分岐
すぐ第二見晴。眺望はいい。第一見晴から妙義神社からの道と合流してもみじの湯へ。

ゴール
もみじの湯

アクセス:
[行き]JR高崎線上野駅で高崎駅へ。高崎駅からJR信越本線で松井駅へ。松井田駅からタクシーで妙技神社参道入り口 約2時間40分。
[帰り]妙義神社参道からタクシーで10分、松井田駅へ。松井田駅からJR信越本線で高崎駅へ。高崎駅からJR高崎線で上野駅、約2時間40分。

高崎駅から上信電鉄の上州富岡駅へ行けば、駅から乗り合いタクシーが出ている。妙義神社までの運賃は650円、所要時間40分。平日で8時台と10時台が使える。

妙義山は、へなちょこクライマーではとても制覇できる山ではない。命がいくらあっても足りない。ところが、へなちょこでも楽しめる中間道という、麓と山頂とのまさに中間に道がある。これならと松井田駅からタクシーに乗った。

松井田駅を出ると見えるギザギザ頭の妙義山。中央が白雲山。
松井田駅を出ると見えるギザギザ頭の妙義山。中央が白雲山。

妙義神社の参道入口でタクシーを下りて、まずは安全祈願へ。近くにいたおじさんのアドバイスによると、行きに車道を歩き、中間道を通って妙義神社へ戻るのが楽。子供でもすいすいと歩けるとか。

楽というアドバイスに惹かれてさっそく車道歩き。金鶏橋(きんけいばし)まで舗装路を歩いて、森の中へ。一本杉から筆頭岩(ひっとういわ)が見える。この筆頭岩は昔、ウエストンがザイルで登攀したという岩だが、2021年現在は登攀禁止だ。

 

一本杉から見た筆頭岩。昔、ウエストンがザイルで登った岩で、現在、登攀は禁止されている。
一本杉から見た筆頭岩。昔、ウエストンがザイルで登った岩で、現在、登攀は禁止されている。

石門を次々と抜け、絶景「日暮らしの景」を望む

石門入口へ。第一から第四まである石門を通って行く。第一石門を抜けるとカニノヨコバイ。クサリ付きの岩場をトラバースする。抜けるとカニノタテバリで今度はクサリの直登。片手サガリなどを過ぎて腕が疲れてきた頃に広場になっている第四石門に到着。

 

第二石門のクサリ場。
第二石門のクサリ場。

ここに「日暮らしの景」という断崖から見る展望所があるので行ってみると、素晴らしい景色。奇岩と遠くの山々。しばし見とれてから大砲岩方面へ足を向ける。近くに死亡事故があったようで「一般登山者は立ち入らないでください」の告知。一般登山者なのだが、ここで引き返すのもあまりに無念、ということで大砲岩の手前まで。さすがにその先はへなちょこクライマーでは無理かもしれない。要注意のルートだ。妙義山上部の金洞山を仰ぎ見て十分満足した。

第四石門そばの絶景の上からの景色。「日暮らしの景」といわれる。
第四石門そばの絶景の上からの景色。「日暮らしの景」といわれる。
大砲岩分岐の先では岩を削って作られた道を行く。わざわざ削らなくてもいいんじゃないか。
大砲岩分岐の先では岩を削って作られた道を行く。わざわざ削らなくてもいいんじゃないか。

妙義山は金洞山のある表妙義と裏妙義があり、どちらも難度の高い山。滑落事故も多いので、一般登山者は中間道だけにしよう。へなちょこではない本物のクライマーなら別だが。

分岐に引き返して妙義神社方面へ。鉄階段とある鉄梯子のような狭い階段を下りて、なんとか妙義神社へ着いた。アドバイス通り逆コースよりは楽だったが、「関東ふれあいの道」にしては触れ合う余裕のない道だったかもしれない。

鉄階段というよりも鉄梯子といったほうがいい細い段に足をかけて下るちょっぴり怖い階段。
鉄階段というよりも鉄梯子といったほうがいい細い段に足をかけて下るちょっぴり怖い階段。

アドバイス

中間道は一般登山者向けなのだが、油断しないように。このルートでも滑落は発生している。特に大砲岩方面は自信のない人は控えるようにしたい。クサリ場が多いが、あまりクサリに頼らないで登りたい。

山歩きメモ

クサリ場が苦手な人は、第一石門の手前にある分岐から第二石門をパスできる別ルートがあるので、そちらを使えば直接第四石門に行くことができる。また大砲岩は高度感やスリル感があるが、けっこう危険なので、途中で引き返したほうがいいかも。

妙義神社

奇岩、怪石の妙義山は自然崇拝の道場だ

妙義神社の歴史は古く、創建はなんと537年といわれる。古来、日本人は奇岩、巨石、湖沼など自然を崇拝してきたが、ここ妙義山の奇岩や怪石は格好の崇拝対象になったようだ。神社の裏に奥の院に行く道があるが、クサリ場の道。

妙義ふれあいプラザ もみじの湯

妙義山を見ながら露天風呂にざぶん!

妙義山の麓にある「もみじの湯」は元は地元高齢者の触れ合い、健康増進ための施設だが、一般の人も利用できる。特に妙義山が見える露天風呂が人気。赤城山や榛名山も見える。併設された食事処で、反省会も楽しめる。

●10:00~19:00(受付は18:30まで)。520円(3時間)、月休。松井田駅からタクシーで10分 ☎0274-60-7600。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より