東京初店舗である錦糸町店

木目調とオレンジを基調とした外装が目印。
木目調とオレンジを基調とした外装が目印。

JR錦糸町駅の北口を出てバスロータリーを通り過ぎ、北斎通りを渡ったところに『こってりらーめん なりたけ 錦糸町店』はある。

千葉県発祥の『こってりらーめん なりたけ』だが、錦糸町は東京の1号店であり、2009年の開店から12年以上もの間錦糸町を訪れる様々な客のお腹を満たしてきた。

従業員が着るオリジナルキャラクターのTシャツは、購入もできる。
従業員が着るオリジナルキャラクターのTシャツは、購入もできる。

オーナーの成田さんは、『らーめん弁慶』で修業を積んだのち、1996年に『こってりらーめん なりたけ』の1号店を千葉にオープン。そして現在はパリにまで店舗を構えるほどの人気ぶりだ。ちなみに屋号の『こってりらーめん なりたけ』は、オーナーの名前が由来になっている。

もちろん主力は「濃厚背脂らーめん」

濃厚背脂らーめんを作る様子。彼は勤続20年以上。
濃厚背脂らーめんを作る様子。彼は勤続20年以上。

そんな『こってりらーめん なりけ 錦糸町店』では、濃厚背脂らーめんが主力メニューだ。濃厚背脂らーめんは醤油と味噌の2種類があり、決めきれなかった筆者は贅沢にも両方とも作っていただいた。

このメニューはいわゆる“チャッチャ系”と呼ばれており、じっくり煮込んだ豚の背脂を平ザルに乗せ、どんぶりの上で力強く振ることで、どんぶりの中のスープに脂を落として作る。

煮込んだ背脂。ザルを振ると、濃厚な背脂がぼたぼたと落ちる。
煮込んだ背脂。ザルを振ると、濃厚な背脂がぼたぼたと落ちる。

平ザルを振る時の、脂が叩きつけられる音からチャッチャ系と名付けられたのだそう。

スープとの相性を考えて作った麺は自家製で、稲毛の工場で手作りしている。
スープとの相性を考えて作った麺は自家製で、稲毛の工場で手作りしている。

また、麺にも店のこだわりがある。脂とよく絡むことを目指して開発された中太の縮れ麺は、自社工場で毎日手作りしている自家製だ。

一番人気の醤油らーめん

背脂はスープの上だけでなく、どんぶりのフチにまでついている。
背脂はスープの上だけでなく、どんぶりのフチにまでついている。

まずは、店の一番人気である醤油らーめん800円をいただいた。運ばれて真っ先に目についたのが、霜降り模様になったスープだ。

厨房でチャッチャされたスープには、濃厚な背脂がたっぷりとのっており、スープを一口飲まずにはいられない。

背脂が溶け出したスープは、はっきりとしたコクがあるだけでなく、まろやかさも感じられた。なんとも複雑な味わいになっており、これがまたクセになる。

箸で麺を持ち上げるのが大変なくらい、背脂がたっぷり絡んでいる。
箸で麺を持ち上げるのが大変なくらい、背脂がたっぷり絡んでいる。

トッピングで頼んだ味付け玉子100円は、中はトロッと半熟で、醤油らーめんのスープとの相性も抜群だ。

味噌と脂の相性やいかに……!?

トッピングの辛ねぎは、山盛りで登場。
トッピングの辛ねぎは、山盛りで登場。

次に運ばれてきたのは、もう一つの濃厚背脂らーめんである味噌らーめん850円だ。もちろん、こちらにも背脂がふんだんにチャッチャされている。

スープになる前の味噌。こちらも自家製で作っている。
スープになる前の味噌。こちらも自家製で作っている。

ドロっとした味噌スープを見て、筆者が味噌の味と脂の味がぶつかってしまうのではないかと懸念したのも束の間、スープを口に入れた瞬間その考えは消え去った。

濃厚な味噌の風味が主役でありながらも、背脂の味わいはしっかりと感じられ、特に脂の甘みが引き立っていた。

濃い色のスープだが、背脂がしっかり載っているのが分かる。
濃い色のスープだが、背脂がしっかり載っているのが分かる。

同じ背脂でも、醤油らーめんの時とはまた違った風味になっていることに感動を覚えた。

トッピングで添えていただいた辛ねぎ200円は、程よくしっかり辛いので、脂の甘みに対して、ちょうど良いアクセントになっていた。

トッピングの域を超えるボリューム。
トッピングの域を超えるボリューム。

訪れる度に、「どちらも捨て難い選択」をすることになると思うが、一度通っただけでは味わい尽くせない深い背脂の沼に、何度も足を運んでほしい。

取材・文・撮影=須田仁美