ナイキの厚底シューズが、世界の陸上長距離界を席巻しているらしい。マラソンでも駅伝でも、あのド派手な厚底シューズを履いた選手が新記録を連発しているのだ。さんたつ(=散歩の達人)編集部としては、聞き捨てならぬ話である。

【東京~大崎編(約11.8㎞)】

東京の中心部からシーサイドへ。新八ツ山橋の交差点は箱根駅伝の名所

Google My Mapsで作成。
Google My Mapsで作成。
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東京~有楽町(約1.0㎞)

アプリ「ルートヒストリー」より。
アプリ「ルートヒストリー」より。
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東京駅地下構内。
東京駅地下構内。

山手線一周のスタートには東京駅を選んだ。皇居がほど近く、そこでランニングをする方が利用するランニングステーションが充実しているためだ。ランニングステーションで着替え、荷物を預ければ、身軽に走り出せる。戻ってきてからはシャワーで汗を流すことも可能だ。

東京駅。いよいよ走り出す。
東京駅。いよいよ走り出す。

東京駅の駅舎に背を向け、軽快に走り出す。実走したのは12月中旬、目にも鮮やかな銀杏の葉が木々にかろうじて残っていた。

東京駅から有楽町駅は新幹線と並走できる点がいい。この区間を歩いたことのある方は多いと思うが、駅間はあっという間だ。道幅がゆったりしていて、人通りも多すぎず、走りやすいコースだ。

『東京国際フォーラム』が見えてきたら、もう有楽町駅だ。ガラス棟の外観、内装はいつ見ても美しい。

『東京国際フォーラム』。
『東京国際フォーラム』。

有楽町~新橋(約1.0㎞)

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有楽町駅。
有楽町駅。

この日は駅間をストレートに走ったが、東京~有楽町なら日比谷公園に寄り道してみるのもありだ。もちろん、一周5㎞ほどの皇居もランニングにはおすすめ。山手線ランニングとは別に、ぜひ実走してみてほしい。

銀座エリアを横目に、走り続ける。この区間はガード下に沿って駆けていくことができるが、道が少し狭いため、自動車や通行人には注意したい。

この区間も比較的あっという間だ。人の往来は見ていて楽しいかもしれないが、必ずしも走りやすいコースではない。

新橋~浜松町(約1.65㎞)

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新橋駅前のSL広場。
新橋駅前のSL広場。

「ニュー新橋ビル」やSL広場を目の当たりにし、新橋駅まで来たことを実感する。テレビの街頭インタビューでおなじみの場所だ。駅周辺の飲食店の並びにすごく惹かれるが、我慢してラン・ラン・ラン。

新橋駅から遠ざかり、日本有数のビジネス街・メディアセンターの鎮守である日比谷神社近く、高層ビルが仰げるあたりまで達すると、人通りが少なくなり、走りやすい。また、このエリアではモノレールも見ることができ、テンションが上がる。

日比谷神社の近辺にて。
日比谷神社の近辺にて。

ずっと高架を走っていた山手線も、途中で地面の高さまで下りてきて並走できる。
ちなみに筆者は、普段は周囲を走る自転車をペースメーカーに(勝手に)して、自分が今どれくらいの速さなのか判断するようにしている。電車には勝てない。

浜松町駅が近くなってきたタイミングで給水タイムを取った。長い距離を走る際は、こまめに水分補給を心がけたい。

浜松町~田町(約3㎞)

せっかくなので海側へルートを取った。
せっかくなので海側へルートを取った。
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浜松町駅。
浜松町駅。

浜松町駅付近では、建物と建物の合間から東京タワーが顔を覗かせる。こういう背の高いランドマークは、走っているときは目印になって心強い気がする。

東京タワーは1958年12月23日竣工、言わずと知れた東京のシンボルの1つだ。

田町へ向かう道は比較的閑静な道だ。この区間でテンションが上がる瞬間は、やはり海沿いを走る瞬間! 頬に感じる風が、目に飛び込んでくる青が心地いい。

南浜橋の上から。
南浜橋の上から。

田町駅が近づいてくると、お正月の箱根駅伝で見かける光景に気持ちも高まる。それにしても、大手町から箱根まで5人で走り切るって、改めて考えるとすごいな……。

距離のある駅間で、疲労が蓄積するコースだった。走る上で障害はほとんどないものの、独走状態が続き、気持ちを切らさないのがかえって難しいかもしれない。

田町~高輪ゲートウェイ(約2.2㎞)

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田町駅。
田町駅。

この区間まで来ると、東京タワーはよりくっきりと姿を現す。歩道橋に上って、つい写真を撮ってしまった。

歩道橋の上から撮影した東京タワー。
歩道橋の上から撮影した東京タワー。

山手線一周は、東京タワーが望めるエリアと、東京スカイツリーが望めるエリアの両方があることもいい。

自明のことではあるが、東京、有楽町、新橋間に比べると、駅間が長く、どっと疲れを感じるところだろう。呼吸のリズムを今一度意識し、とにかく一歩ずつ!と自分に言い聞かせた。

2020年3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅周辺は、2022年12月現在、再開発の只中にあり、背の高いクレーン車が何台も見受けられた。

街の変化を感じるコースだ。

高輪ゲートウェイ~品川(約0.87㎞)

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品川まではまっすぐ道が伸びており、とても走りやすい。ここで個人的にテンションが上がるポイントとしては、京急の赤い電車と並走できることだ。

実際に走っていて感じたことだが、この区間、冬場はビル風で体を冷やされる。走っているとだんだん暑く感じるものだが、体の冷えには気をつけよう。

1㎞に満たない、スピード区間だった。

品川~大崎(約1.2km)

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品川駅。
品川駅。

品川駅すぐ近くで、『つばめグリル 品川駅前店』を発見! 昭和5年(1930)創業『つばめグリル』の旗艦店だ。
お腹もペコペコだし、今すぐつばめ風ハンブルグステーキを食べに行きたいくらいだ。

『つばめグリル 品川駅前店』。
『つばめグリル 品川駅前店』。
老舗洋食店『つばめグリル 品川駅前店』は品川駅高輪口から徒歩2分。1930年創業『つばめグリル』の旗艦店だ。アルミホイルで包まれたまま提供されるつばめ風ハンブルグステーキは8割のお客さんが注文するという。いつも新鮮な素材で提供できるように、お店で肉を挽いてパテを作るという、老舗のこだわりが詰まった絶品メニューだ。

走り続けていると、新八ツ山橋の交差点に到達した。箱根駅伝の復路では、最終決着に向けた局面となる。ここで優勝、そしてシード権争いの行方がなんとなく見通せ、ハラハラするポイントだ。車道と歩道で異なるものの、同じ場所を走っていることにうれしさがこみ上げる。

起伏はあるが、気持ちよく走れるコースだと感じる。大崎駅手前で、元気よく駆けていく子どもたちとすれ違った。

また、この区間の見せる表情として、目黒川も含まれる。

目黒川。
目黒川。

東京~大崎編、ここまでで約11.8㎞! これだけ移動するだけでも、街の見せる顔はずいぶん変わった。

大崎駅。
大崎駅。
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【はみだしコラム】①ウォームアップ・ストレッチ

いきなり走り出さず、ウォームアップをすることが大切だ。怪我の予防につながることもそうだが、事前に体を温めることで関節の動きがよくなり、いい走りへの第一歩となる。

屈伸、膝回し、開脚屈伸(浅め⇒深め)、ふくらはぎ伸ばし、股関節伸ばし、手首足首回しは最低限行いたい。これから運動することを体に予告するイメージで。またウォームアップの際は、「今、ここが伸びている」と意識しながら丁寧に行うことが大事だ。

ランニング後も足裏、股関節、前もものストレッチを行い、体の柔軟性を高めることで怪我の予防につながる。また、ランニングの姿勢やフォームもよくなっていく。

無理なく長く続けるためにも、ウォームアップ・ストレッチを欠かさずに!