ゆったり時間が流れるような居酒屋

ワンランク上の雰囲気で、おいしい魚介料理が食べられる居酒屋。
ワンランク上の雰囲気で、おいしい魚介料理が食べられる居酒屋。

明治40年(1907)創業の愛知県に本社がある中部魚錠が運営する海鮮居酒屋。水産仲卸を中心に、鮮魚の小売り、寿司店や居酒屋などの店舗を展開している。池袋の南池袋公園近くには『海鮮居酒屋 魚錠 池袋店』があり、連日多くの人で賑わっている。

2023年2月にオープンした『大人のご馳走屋 魚錠 池袋東通り店』は、各種飲食店が立ち並び、グルメ通りとして名高い東通りにある。『海鮮居酒屋 魚錠 池袋店』は、リーズナブルに魚料理が楽しめる居酒屋だが、新業態のこの店はゆったりとした時間が過ごせる心温まる空間で、旬の魚料理と厳選された酒が楽しめる、本物を知る大人のための店舗がコンセプト。そして、最大の特徴は魚介類料理が中心で、肉料理は一切ないことだ。

カウンター席は5席用意されている。
カウンター席は5席用意されている。

大きな木製の看板が目を引く外観。ガラス戸を開けて中に入ると、オープンキッチンのL字型カウンター席が見える。1階にはほかにも、テーブル席が1つ。

白木の品のよさが漂う2階テーブル席。
白木の品のよさが漂う2階テーブル席。

2階には、テーブル席が並び、奥には暖簾で区切られた半個室も用意されているので、静かに会食することもできる。

暖簾で仕切られた半個室。
暖簾で仕切られた半個室。

季節に合わせて用意された日本酒を飲み比べ

手軽な値段で飲めるので日本酒好きにはうれしい。
手軽な値段で飲めるので日本酒好きにはうれしい。

この店は日本酒が充実している。定番のほかに、季節ごとに厳選した日本酒を含め、10種以上そろっている。
店長の鈴木翔さんは「蔵元の地域を問わず、そのときにおいしい日本酒が2~3か月ごとに入荷します。日本酒があまり詳しくないという人は『刺し身と一緒に飲みたい』『焼き魚に合うのはどれ?』などとお気軽にお声かけください」と話してくれた。
日本酒は1杯(90cc)340円からで、400~500円が中心。さまざまな種類を楽しんでもらいたいということから、ハーフサイズにしている。好みを伝えて気軽に飲み比べてみたい。
また、こだわりの焼酎や国産とフランス産のワインも用意されている。特別な日の乾杯にも最適だ。

旬を盛り込んだおばんざいのお通し

お酒とともに楽しめる目移りしてしまうお通し。
お酒とともに楽しめる目移りしてしまうお通し。

料理でまず運ばれてくるのがお通し550円。
「まぐろ生姜煮」や「エビのおつまみ揚げ」、「まぐろ竜田揚げ」など、日替わりで常時6種類をそろえている「本日のおばんざい」を小盛りにしたもの。この中から2種類を選ぶシステム。その料理が気に入ったり、気になるおばんざいがあったならば別途注文(各550円)することができるのもうれしい。
どれも日本酒にピッタリで、お通しだけで何杯でも行けてしまいそうだ。

リーズナブルな刺身盛合わせと、本マグロのステーキは絶品

見ただけでもおいしさが伝わる、本日の刺身盛合わせ(写真は2人前)。
見ただけでもおいしさが伝わる、本日の刺身盛合わせ(写真は2人前)。

ぜひ注文したいのが、本日の刺身盛合わせ1人前639円。料理長の岩渕淳さんは「目利きのバイヤーが毎日競り落とした魚介類を使用しています。本日は本マグロ、ツブ貝、クエ、サワラ、ヒラメです」と教えてくれた。
リーズナブルなのに、こんなに豪華なのかと驚いてしまった。毎日仕入れているだけあって、新鮮さはもちろんのこと、ひと口食べれば魚の旨みが口の中で広がる。脂がのった本マグロやクエ、食感が楽しいツブ貝など、箸と日本酒が止まらなくなる。

17時~19時・20食限定の、本鮪のステーキ。
17時~19時・20食限定の、本鮪のステーキ。

本鮪ステーキ1078円を2023年5月現在、期間・時間限定で、なんと550円で提供しているという。本マグロの表面をさっと炙り、中心部はレアに仕上げているので、おいしさがギュッと閉じ込められている。おろしポン酢やワサビ、レモンなどで食べれば、本マグロの味の変化も楽しめる。

ほかにもおすすめなのが本日の西京焼き1100円。この日は桜ブリを使用。
ほかにもおすすめなのが本日の西京焼き1100円。この日は桜ブリを使用。

ご馳走の締めご飯で思わずもう一杯

“名物”〆のご馳走めしは、その名の通りまさにご馳走。
“名物”〆のご馳走めしは、その名の通りまさにご馳走。

たくさん飲んで、食べたら最後の締めもいただきたい。“名物”〆のご馳走めし1320円は、ご飯の上にアワビやウニ、イクラがたっぷりとのっている。ここにアワビの肝とウズラの卵が入った特製の醤油をかけて食べる。
アワビやウニ、イクラはそのまま食べてもおいしいが、濃厚な特製醤油が絡まればさらに極上の味わい。これを海苔で巻いて食べれば、もう止まらない。
締めのつもりで食べたのだが、思わずもう一杯日本酒を飲んでしまった。

昼も夜も海鮮満載の料理が楽しめる

お得なランチメニューを目当てに訪れる人も多いという。
お得なランチメニューを目当てに訪れる人も多いという。

最後に鈴木さんは「ゆっくりと時間が流れるような落ち着いた店内で、魚介料理と日本酒を楽しんで下さい。
ランチタイムには大ぶりの刺し身がのった『厚切り!海鮮丼や鮪づくし丼』といったメニューも用意していますので、お昼でも夜でもご利用下さい」と話す。

オーナーの奥さんが手作りした王冠マグネットを持ち帰ることができる。
オーナーの奥さんが手作りした王冠マグネットを持ち帰ることができる。

店構えは一見敷居が高そうに見えるが、一歩中に入るとスタッフは気さくに応じてくれ、そんな懸念はなくなってしまう。池袋で本当においしい日本酒と魚介類料理を堪能したいならば、ここがおすすめ。

住所:東京都豊島区南池袋3-14-12/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~22:00LO(ドリンクは~22:30LO)/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅から徒歩5分

取材・文・撮影=速志 淳