江戸期から続く小さな町の酒蔵『山形県河北町アンテナショップ かほくらし』[三軒茶屋]

町内2蔵の酒の他、郷土料理に欠かせぬ町内製造の乾物、生産量日本一を誇るスリッパなども揃う。
町内2蔵の酒の他、郷土料理に欠かせぬ町内製造の乾物、生産量日本一を誇るスリッパなども揃う。

雛とベニバナで江戸期より栄える河北町は、山形県のほぼ中央にあり、最上川支流に造り酒屋が2軒、健在だ。「もてなしの定番は、お茶と菓子より地酒と煮物・漬物です」と、支配人の高塚浩子さん。「あら玉」で知られ、山形産の酒米や麹菌にこだわる『和田酒造』の他、「県外流通の少ない『朝日川酒造』もコシヒカリやササニシキの原種・亀の尾の町内産で仕込む古酒が人気です」。米の香りを堪能したい。

農産物も満載だ。2階にレストランも併設。
農産物も満載だ。2階にレストランも併設。
レジ脇に本日の立ち飲みラインナップを陳列。3種飲み比べセット900円。
レジ脇に本日の立ち飲みラインナップを陳列。3種飲み比べセット900円。
支配人 高塚浩子さん「レア酒米・改良信交生原酒はスマートで米の旨味あり。本からかい(干しエイ)とも合います。」
支配人 高塚浩子さん「レア酒米・改良信交生原酒はスマートで米の旨味あり。本からかい(干しエイ)とも合います。」

『山形県河北町アンテナショップ かほくらし』店舗詳細

住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-12-10/営業時間:10:00~19:00、立ち飲みは17:00~ 22:00(土・日は11:00~)/定休日:月(祝の場合は火)/アクセス:東急電鉄田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩2分

魚をつまみに味わう三陸沿岸の酒『三陸SUN』[東高円寺]

イカの塩辛など、作り手ごとの味の違いも熟知した品揃え。地酒は試飲もできる。
イカの塩辛など、作り手ごとの味の違いも熟知した品揃え。地酒は試飲もできる。

「都会の親戚宅をイメージしています」と、所長の福山陽平さん。大船渡市を中心に、青森・岩手・宮城の県をまたぎ、三陸地域の活性を目指す拠点だ。地酒は酒蔵から直で仕入れ、冬季限定どぶろく、地元青森でも希少な「七力」も並ぶ。作り手の思いとともに、地元の習慣話もお届け。「『酔仙』の『雪っこ』は、冬が来たと感じる酒です。甘くて飲みやすいけど、みんな足元から崩れていきますよ(笑)」。

陸前、陸中、陸奥と、三陸の水産加工・農産物が目白押しだ。
陸前、陸中、陸奥と、三陸の水産加工・農産物が目白押しだ。
副所長 福山文恵さん「『雪っこ』の地元の通り名はホワイトデビル。メカブがネバトロの海鮮ばくだんと。」
副所長 福山文恵さん「『雪っこ』の地元の通り名はホワイトデビル。メカブがネバトロの海鮮ばくだんと。」

『三陸SUN』店舗詳細

住所:東京都杉並区和田3-59-9 第三加部ビル1F /営業時間:10:00~18:00/定休日:月・火/アクセス:地下鉄丸ノ内線東高円寺駅から徒歩2分

淡路島の酒米を一手に担う土地『日本橋室町すもと館』[新日本橋]

ガラス張りの明るい風情。
ガラス張りの明るい風情。

酒蔵があるのは淡路市だが、洲本市は淡路島屈指の米処。「(市内の)五色町の酒米も使うんですよ」と、店長の高木郁さん。島内に2蔵あり、まず名が挙がるのは「都美人」。タマネギに代表される、甘みの強い食材を用いた郷土料理にも調和する。「温暖な気候がそうさせるのか、人柄おだやか、酒はまろやかでやわらかい印象です」。島外では滅多に出回らない地元『千年一酒造』の酒も見逃せない。

淡路島のふたつの酒蔵の酒がずらり。
淡路島のふたつの酒蔵の酒がずらり。
瀬戸内の島だけあって、農産・海産の宝庫。店内のイートインで、海産物フライをアテに、蔵ごとの利き酒セット(3種1000円、1500円)も試したい。
瀬戸内の島だけあって、農産・海産の宝庫。店内のイートインで、海産物フライをアテに、蔵ごとの利き酒セット(3種1000円、1500円)も試したい。
店長 高木郁さん「わかめ煮と合わせるなら『千年一酒造』千華。酒らしい香りのする大吟醸です。」
店長 高木郁さん「わかめ煮と合わせるなら『千年一酒造』千華。酒らしい香りのする大吟醸です。」

『日本橋室町すもと館』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町4-4-3/営業時間:11:00~ 20:00(土・日・祝は~19:00)/定休日:無/アクセス:JR総武本線新日本橋駅から徒歩1分

長崎でも手に入りにくい地酒揃い『有楽町 ひらど商館』[有楽町]

郷土食に加え、地元産猪肉を用いたジャーキーやソーセージなども販売。
郷土食に加え、地元産猪肉を用いたジャーキーやソーセージなども販売。

隠れキリシタンの聖地が世界遺産に認定される平戸。「南蛮由来の文化が最初に入ってきた地ですが、日本古来の神社や寺と共存しているんです」と、広報担当の豊池潤一さん。酒も然り。今も棚田で米作りし、酒米を栽培。北部・南部に酒蔵があり、西日本最古で日本最西端に立つ酒蔵『福田酒造』と、明治期創業の『森酒造場』がファンを二分する。限定流通の稀有な酒が揃い、うれしい限りだ。

小さな店。同じ階に料理店『平戸からありがとう』あり。
小さな店。同じ階に料理店『平戸からありがとう』あり。
「すっきりフルーティーな酒『磨法の泉』を平戸の新名物猪肉とどうぞ。」
「すっきりフルーティーな酒『磨法の泉』を平戸の新名物猪肉とどうぞ。」

『有楽町 ひらど商館』店舗詳細

住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1/営業時間:11:00~19:00/定休日:日(詳しくは店舗にお問い合わせください)/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩すぐ

博多を飛び出し、筑後の酒に注目!『ザ・博多 有楽町店』[ 有楽町 ]

博多といえば筑前国福岡藩の城下町。とはいえ、酒の主力は筑後・八女市のもの。「最近は博多にとどまらず、扱うエリアを広げていて」と、店長の藤嶋久美子さんは苦笑するが「博多の方が好む日本酒を押さえています」と胸を張る。焼酎文化が根強いにも関わらず、江戸期から日本酒が造られるのは、筑後地方が九州一の穀倉地帯で、酒米の産地ゆえ。博多で愛される日本酒と味を見つけたい。

八女市の酒蔵が中心。「博多では日本酒を造っていても、焼酎は作っていないんです」。
八女市の酒蔵が中心。「博多では日本酒を造っていても、焼酎は作っていないんです」。
小ぢんまりした店内に博多名物が所狭しと。
小ぢんまりした店内に博多名物が所狭しと。
店長 藤嶋久美子さん「乾燥辛子めんたいこを口の中で転がしながら純吟を飲むのもオススメです!」
店長 藤嶋久美子さん「乾燥辛子めんたいこを口の中で転がしながら純吟を飲むのもオススメです!」

『ザ・博多 有楽町店』店舗詳細

住所:東京都千代田区有楽町2-10-1/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄有楽町駅から徒歩すぐ

取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=小野広幸