馬車道十番館 喫茶室[関内]

テーブルに華を添えるイチゴのコンビ

【ときめきペアリング】ショートケーキ(825円)×イチゴのクリームソーダ(825円)

ステンドグラスやバラが醸す空間に目を奪われ、ショーケースに並ぶ端正な洋菓子にため息。迷ったら、粉砂糖でおめかしした丸型ショートケーキを。創業以来不動の人気で、ふわふわスポンジ&軽い口溶けの北海道産生クリームに、イチゴの酸味がはじける。
合わせるならクリームソーダを。定番のメロンもあるが、「イチゴもおすすめですよ」と店員さん。果肉を用いた自家製で、すっきりとした喉越し。バニラアイスが上品な甘みを添え、心もとろける。

日の光が差す時間はモダンなステンドグラスが印象的。座面を張り替えながらも使い続ける木製椅子が愛らしい。
日の光が差す時間はモダンなステンドグラスが印象的。座面を張り替えながらも使い続ける木製椅子が愛らしい。
バラが飾られた喫茶室。黒い制服に白いエプロンが映える店員さんも優雅。
バラが飾られた喫茶室。黒い制服に白いエプロンが映える店員さんも優雅。
開港100年を記念して、1967年に建てられた赤レンガ造りの館。
開港100年を記念して、1967年に建てられた赤レンガ造りの館。

『馬車道十番館 喫茶室』店舗詳細

住所:神奈川県横浜市中区常盤町5-67/営業時間:10:00~21:30LO/定休日:無/アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン関内駅出口から徒歩3分

樹根巣[戸部]

古くて新しい駅前喫茶で名物おやつを

【ときめきペアリング】小倉トースト(700円)×カフェシェケラート(650円)

「実家が以前近くでパン屋を営み、喫茶もやっていたんです」とは、前店主から2018年頃に営業を引き継いだ西村翠(みどり)さん。
パン系に力を注ぐ中、人気を誇るのが小倉トーストだ。43㎜と分厚いトーストは中までふかふかで、2色2列の山並みがしゃれっ気たっぷり。そのままかじり、混ぜて味わい、さらに塩を振ればコクと甘みがグンと引き立つ。
サイフォンコーヒーも合うが、illyの豆を用いたエスプレッソが香るカフェシェケラートも相性抜群。

銅板ランプが点り、柱が艶めく。昭和期創業の店は西村さんが継いで以降、サンドイッチやバナナジュースも評判。
銅板ランプが点り、柱が艶めく。昭和期創業の店は西村さんが継いで以降、サンドイッチやバナナジュースも評判。
フラットホワイトのアイス版・カフェシェケラートは、シェーカーで作ることも。
フラットホワイトのアイス版・カフェシェケラートは、シェーカーで作ることも。

『樹根巣(ジュネス)』店舗詳細

住所:神奈川県横浜市西区戸部本町47-8/営業時間:7:30~18:00/定休日:日・祝/アクセス:京急電鉄本線戸部駅からすぐ

CAFÉ de la PRESSE[日本大通り]

歴史的建造物で西洋の文化人気分に

【ときめきペアリング】モンプディング(420円)×裁判官たちのカフェ(840円)

戦前建築の様式が美しく、窓からも同時期の歴史建造物を望む。見目麗(みめうるわ)しきフランス菓子が揃う中、風変わりなのがモンプティングだ。プリンがとろりと甘く、カラメルジュレが香ばしさをやさしくたなびかせる。
そして、近隣の建物にちなんだコーヒーもユニーク。裁判官たちのカフェにはオレンジリキュールが添えられ、コーヒーに入れてもいいが、「ちびりちびりと飲むのもおすすめです」と、店長の林未央さん。昼下がり、甘い背徳感に浸りたくなる。

昭和4年(1929)築の横浜市認定歴史的建造物の2階に潜む。アールを描く柱の意匠や絵画にも注目。
昭和4年(1929)築の横浜市認定歴史的建造物の2階に潜む。アールを描く柱の意匠や絵画にも注目。
パティシエが作るフランス菓子はテイクアウトも可。人気のマカロンは1個から買える。イートイン250円。
パティシエが作るフランス菓子はテイクアウトも可。人気のマカロンは1個から買える。イートイン250円。
林さんが操るのは、鳳凰をいただくイタリア製の銅製エスプレッソマシン。昔のロボットのよう。
林さんが操るのは、鳳凰をいただくイタリア製の銅製エスプレッソマシン。昔のロボットのよう。

『CAFÉ de la PRESSE(カフェ ドゥ ラ プレス)』店舗詳細

住所:神奈川県横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター2F/営業時間:10:00~18:30LO/定休日:月・火/アクセス:地下鉄みなとみらい線日本大通り駅出口すぐ

萬來行カフェ[元町・中華街]

ひっそり愉しむ中華街のお茶の時間

【ときめきペアリング】マーライコウ(450円)&杏仁豆腐(380円)×ジャスミン茶(530円)

階下の雑貨店と打って変わった別世界。美しいブルーの壁に、センスいい中国アートが映える。「ゆっくりしてほしくて」と話すのは店主の竹本章さんだ。
ゆったり腰掛け、最高級茶葉のジャスミン茶をすすると、華やかな香りがパッと花開く。お供には杏仁豆腐を。ぷるんとしてなめらか、添えたアーモンドが香ばしい。蒸しパンのマーライコウの甘みも捨てがたし。
「シンプルでしょ」と笑うが、上質な中華ティータイムが贅沢(ぜいたく)な時間へ誘う。

壁の一角に飾られているのは、章さんが撮った中華街の日常風景。他に、中国で仕入れた美人画、花鳥風月画を額装。席ごとに風景が変わる。
壁の一角に飾られているのは、章さんが撮った中華街の日常風景。他に、中国で仕入れた美人画、花鳥風月画を額装。席ごとに風景が変わる。
窓辺に近づくと、1階雑貨店のにぎわいが見下ろせる。
窓辺に近づくと、1階雑貨店のにぎわいが見下ろせる。
「5~6時間滞在される方もいます」と笑う、妻の理華さん。
「5~6時間滞在される方もいます」と笑う、妻の理華さん。

『萬來行(ばんらいこう)カフェ』店舗詳細

住所:神奈川県横浜市中区山下町148 萬來行2F/営業時間:11:00~19:00LO(土・日・祝は~19:30LO)/定休日:水・木(祝は営業)/アクセス:地下鉄みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩3分

炭火焙煎珈琲 無[元町・中華街]

氷山アイスコーヒーに首ったけ

【ときめきペアリング】手作りレアチーズケーキ(600円)×冷珈琲(あいすこうひい・900円、セットは1300円)

アイスコーヒーが運ばれるとその姿に仰天。コーヒーの氷山がグラスから大胆にはみ出し、そそり立つ。
1985年に創業した中津徳正さんは「テレビを見ながら思いついて」と、約30年前からこのスタイルに。手がすくたびに神戸『萩原珈琲』の深煎り豆をドリップし、一晩寝かせていて、深みのある苦味が鼻腔へ押し寄せてくる。
そして、氷塊は1時間経っても氷塊のまま。ほのかな酸味漂う濃厚レアチーズケーキとのんびり味わいたい。

ハンドドリップする中津さん。カウンター席なら、約150客から好きなカップが選べる。中には金継ぎカップもあり。
ハンドドリップする中津さん。カウンター席なら、約150客から好きなカップが選べる。中には金継ぎカップもあり。
元町商店街沿いの2階は、静かな空間。
元町商店街沿いの2階は、静かな空間。

『炭火焙煎珈琲 無』店舗詳細

住所:神奈川県横浜市中区元町1-1-21 野中ビル2F/営業時間:10:30~21:00頃/定休日:月(祝は営業)/アクセス:地下鉄みなとみらい線 元町・中華街駅から徒歩2分

取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=佐藤侑治
『散歩の達人』2023年5月号より