80年以上続く町中華『成喜』で早い、ウマイ、安い日替わり定食

豚肉と野菜のカレー炒め定食880円。定食は隔週替わりで2種類。
豚肉と野菜のカレー炒め定食880円。定食は隔週替わりで2種類。

JR川崎駅から徒歩4分、『ラ チッタデッラ』のすぐ近くにある中華料理店『中華 成喜』。創業した昭和12年(1938)当初は割烹だったが、戦後に店の一角で餃子を売り出したのをきっかけに少しずつ中華メニューが増えていき、今では地元に愛される中華料理店として君臨している。

川崎で餃子を提供した最古の店である『成喜』では今も昔ながらの作り方で餃子を提供する。酢醤油で食べるのもよいが、ぜひ同店が発起人となり近隣の中華料理店とともに開発したかわさき餃子みそをつけて食べてみよう。餃子から出てくる豚とキャベツのスープがコクと辛味のある酢味噌のようなたれと混ざり合ってご飯に合う!

早い、安い、ウマイことで、昼時は行列必至。定食は隔週替わりで2種あり、木曜日に切り替わる。豚肉と野菜のカレー炒め定食は、甘い中にもピリリとスパイシーなカレーの味付けされていてご飯がすすむ。横に従える麻婆豆腐はにはひき肉たっぷりで辛さは控えめ。ご飯にデーンとかけてガシガシかき込もう。

餃子5個440円。卓上に醤油、酢、ラー油にかわさき餃子みそが並ぶのが川崎の中華料理店のスタンダードだ。
餃子5個440円。卓上に醤油、酢、ラー油にかわさき餃子みそが並ぶのが川崎の中華料理店のスタンダードだ。
周囲にも店はあるのにランチタイムの桁違いの行列に驚く。
周囲にも店はあるのにランチタイムの桁違いの行列に驚く。

『中華 成喜』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市川崎区小川町2−11/営業時間:11:00〜14:30・17:00〜20:50LO/定休日:火・第3水/アクセス:JR川崎駅から徒歩5分

自家製ハンバーグが白米に合う!『KITCHEN ラフト』

自家製ハンバーグ おろしポン酢1130円。ハンバーグのサイズは約160g。
自家製ハンバーグ おろしポン酢1130円。ハンバーグのサイズは約160g。

JR川崎駅から徒歩5分、『ラ チッタデッラ』のそばにある洋食店『KITCHEN ラフト』では、ランチタイムに4種類の定食を提供。その1つ、自家製ハンバーグ おろしポン酢は、フライパンで焼き色をつけてからオーブンで丁寧に火を入れることで、ふっくら焼き上げている。ひき肉には牛、豚を混ぜており、肉の味わいを引き立てるため、素材がシンプルかつスパイス類も控えめだ。

まずは何もかけずに食べてみると、みっちりとした肉質も相まって、口の中が肉の旨味で満たされる。おろしポン酢と大葉を乗せれば、ハンバーグにやさしい酸味が加わり、さっぱりとした和風の味わいに。これがライスとの相性抜群で、とにかくご飯が進む。

定食メニューには、ライスとドリンクのほかに別皿でサラダが付いているのがうれしいところ。なかなかボリュームがあるので、ライス少なめにも対応している。また、料金はそのままでライス大盛りも可能。

タマネギが入っていない分、お肉の味をストレートに感じられる。
タマネギが入っていない分、お肉の味をストレートに感じられる。
『ラ チッタデッラ』の通りから飲食店が立ち並ぶ路地に入る。立て看板が目印。
『ラ チッタデッラ』の通りから飲食店が立ち並ぶ路地に入る。立て看板が目印。

『KITCHEN ラフト』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市川崎区小川町3-2/営業時間:11:30~13:15LO(土・日は~13:30LO)・17:00~21:30LO(日・祝は~21:00LO)/定休日:月・第2、第4日/アクセス:JR川崎駅から徒歩5分

『イタリア料理店 モナリザン』で甘み控えめ大人味のナポリタン

具が大きい! ナポリタン・スパゲティ1100円。
具が大きい! ナポリタン・スパゲティ1100円。

川崎駅から徒歩6分、創業以来守り続ける自慢の料理で川崎市民から長年愛され続けている老舗『イタリア料理 モナリザン』。1階は懐かしさを感じる昭和レトロな雰囲気、2階と3階はおしゃれで現代的なレストランスペースとなっている。

ランチメニューのおすすめはナポリタン・スパゲッティ。スパゲッティは細麺で、芯に軽い歯ごたえが残る絶妙な茹で加減だ。大きめのエビやベーコン、玉ねぎは飴色に炒めてあり旨味たっぷり。マッシュルームの代わりにシイタケとシメジが使われているのも老舗ならではの味わいだ。

ソースは、ケチャップ系の甘さを控えた、いわゆる大人の味。トマトソースとトマトペーストをベースにして、ウスターソースで味に深みを加えているそう。
ランチにはミニサラダ、ドリンクバーが付く。ドリンクバーにはスープも。コーンスープやミネストローネも飲み放題なのがうれしい。

ランチはミニサラダ、ドリンクバー付き。
ランチはミニサラダ、ドリンクバー付き。
イタリアンバルのようなカウンター席と懐かしさを感じるテーブル席が並ぶ。
イタリアンバルのようなカウンター席と懐かしさを感じるテーブル席が並ぶ。

『イタリア料理 モナリザン』店舗詳細

満腹必至! 『太陸』の名物・タワー硬焼きそばにチャレンジ

大きなお皿からあふれそうなタワー硬焼きそば1180円。
大きなお皿からあふれそうなタワー硬焼きそば1180円。

川崎駅から徒歩7分ほど、仲見世通商店街の国道側に位置する中華料理店『太陸』は、地域で60年以上愛される町中華だ。高さ約20cm、重さ1.1kgというタワー硬焼きそばが、デカ盛りメニューとして話題になっている。ラードで揚げた麺は、パリパリの食感が心地よく、香ばしい風味も後を引く。この麺に、醬油スープと出汁を効かせた甘めの餡を絡めれば、もっちりとした弾力のある食感に変化する。モヤシやキャベツのシャキシャキ感、キクラゲのコリコリ感など、各具材に存在感があり、食べ飽きない。ちなみに重さ2kgの大盛りタワー硬焼きそばもある。

手作りの焼き餃子は、昔からの味を守りながらグレードアップしてきた一品。豚ひき肉に焼き豚の切れ端を加えてジューシーに仕上げている。またキャベツ、ネギ、ニラなど、野菜たっぷりなのもポイントだ。卓上の「かわさき餃子みそ」、お酢、自家製ラー油を7:2:1の比率でブレンドした味噌ダレに付けて食すと、箸が止まらなくなる。

ひと口かじれば豚肉の旨味と野菜の甘みがあふれ出す焼き餃子580円。
ひと口かじれば豚肉の旨味と野菜の甘みがあふれ出す焼き餃子580円。
赤を基調とした外観。真っ赤なのれんには「タンメン」「ギョーザ」の文字も。
赤を基調とした外観。真っ赤なのれんには「タンメン」「ギョーザ」の文字も。

『太陸』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市川崎区東田町1-12/営業時間:11:00~13:45LO・17:00~21:30LO/定休日:日・祝/アクセス:JR川崎駅から徒歩7分

ボリューム満点コスパ最強の欲張りランチ『四川料理 松の樹』

豪華さにびっくりのランチスペシャル1100円。左下の丼にはご飯がたっぷり。
豪華さにびっくりのランチスペシャル1100円。左下の丼にはご飯がたっぷり。

JR川崎駅から徒歩8分、本格的な中国料理をいただける『四川料理 松の樹』。

ランチメニューは麻婆豆腐のAランチ、牛バラ煮込みのBランチと、この両方がハーフサイズで堪能できて日替わり小鉢にコーンスープ、さらに点心までつくというランチスペシャルの全部で3種類。

店の看板料理とも言える麻婆豆腐は、さっと広がる四川山椒と唐辛子の辛さと香り。そして辛味の後には旨味が広がる。ご飯が進む味だ。

牛バラ煮込みは牛肉の旨味が凝縮され、味付けは濃厚なので、これまたご飯によく合う。
ランチスペシャルのせいろの中には点心が3つ。ぷりぷりのエビの海老ニラ蒸し餃子、中身がポテトサラダの揚げワンタン、粗挽き肉の食感と旨味を楽しめる焼売。「醤油などをつけずにそのままで味わってください」とのことだ。
また、ランチスペシャルにはプラス200円でハーフサイズの担々麺をつけることができるのもうれしい。

せいろの中には点心が3個。海老ニラ蒸し餃子、揚げワンタン、焼売。
せいろの中には点心が3個。海老ニラ蒸し餃子、揚げワンタン、焼売。
京急川崎駅からだと徒歩6分ほど。川崎市役所の裏手にある。
京急川崎駅からだと徒歩6分ほど。川崎市役所の裏手にある。

『四川料理 松の樹』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市川崎区宮本6-11/営業時間:11:00~14:30LO・17:00~21:00/定休日:月・火/アクセス:JR川崎駅から徒歩8分、京浜急行電鉄本線京急川崎駅から徒歩6分

毎日通いたくなる! 『台湾家庭料理 茶思味』のいろいろランチ

日替わりランチのエビチリ炒め+麻婆豆腐セット980円。ご飯がパクパクすすむ。
日替わりランチのエビチリ炒め+麻婆豆腐セット980円。ご飯がパクパクすすむ。

JR川崎駅を東口方面に出て徒歩10分ほど。稲毛神社の近くに店を構える『台湾家庭料理 茶思味』。

ボリューム満点のランチは全5種類あり、一度食べたらやみつきに。毎日Xで配信されるメニューを見ると、あれもこれも食べたくなる衝動にかられる。麻婆豆腐がセットになっているお得なメニューもあって、すべて1000円以下なのはうれしい限り。日替わり2種はエビチリや回鍋肉などの定番中華からルーロー飯などのTHE台湾料理まで幅広いラインナップで、本場の味をいただけるとあって毎日通いたくなるだろう。

台湾出身のママさんオーナーの存在もまた、この店の魅力。アットホームな空間でほっとひと息つきながら、ママさんの“故郷の味”を存分に堪能できる。夜メニューは50種類以上あり、紹興酒のつまみにもってこい! ママさんお手製のできたてパイナップルケーキも必食だ。

ピーナッツ入り麻婆豆腐は主役級の旨さ! 辛いもの好きはハマるにちがいない。
ピーナッツ入り麻婆豆腐は主役級の旨さ! 辛いもの好きはハマるにちがいない。
店名の由来は「お茶を飲みながら国の味を思い出す」という意味。
店名の由来は「お茶を飲みながら国の味を思い出す」という意味。

『台湾家庭料理 茶思味』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市川崎区宮本町4-1/営業時間:11:45~14:00・17:30~22:00LO(土はランチ休)/定休日:日・祝/アクセス:JR川崎駅から徒歩10分、京浜急行京急川崎駅から徒歩7分

“天下一いずま”な店『中華料理 天龍』の野菜たっぷりタンメン&餃子

タンメン600円、餃子300円。このボリュームで合計900円なら毎日でも食べたい。
タンメン600円、餃子300円。このボリュームで合計900円なら毎日でも食べたい。

JR川崎駅から市役所通りを5分ほど歩いた銀座街の角に、“天下一いずま”と書かれたのれんで知られる『中華料理 天龍』がある。

その日提供する分を1個ずつ手包みする餃子には、国産の豚ひき肉に自家農園の白菜やキャベツ、ニラを使用。パクッと半分かじってみると、野菜と肉のスープが染み出してくる。川崎名物・餃子みそとの相性も抜群だ。

看板メニューのタンメンにも自家農園の白菜、キャベツを使い、豚肉は国産にこだわる。スープはトリガラ、とんこつ、野菜などを煮込んだ清湯。見た目通りの澄んだ味だ。野菜はシャッキシャキで旨味が最大限に引き出されている。野菜がモリモリすぎてなかなか麺にたどり着かない。ムシャムシャと口いっぱいにほおばる幸せ。

麺類だけでなく、炒めもの、ご飯もののメニューも豊富なので、毎日行っても飽きないだろう。

餃子の餡に白菜かキャベツを入れるのがポピュラーだが、両方入れるのは珍しい。
餃子の餡に白菜かキャベツを入れるのがポピュラーだが、両方入れるのは珍しい。
古き良き町中華の佇まい。お昼時になるとコの字のカウンターがお客さんでギッシリに。
古き良き町中華の佇まい。お昼時になるとコの字のカウンターがお客さんでギッシリに。

『中華料理 天龍』店舗詳細

店内にスペイン語が飛び交う『アルコイリス』でペルーの家庭料理を食す

ロモサルタード900円。肉も野菜もたっぷり食べられパワーがつくランチだ。
ロモサルタード900円。肉も野菜もたっぷり食べられパワーがつくランチだ。

JR川崎駅前の西口から徒歩3分のところにあるペルー料理専門店『アルコイリス』。ペルーに移住した沖縄出身の店主が日本に戻って開いた店だ。現地さながらのボリュームと味でペルー人だけでなく日本人をも虜にしている。

南米にあるペルーは日本でもポピュラーなジャガイモとトマトの原産国。しかも生魚やお米もよく食べられることから案外日本との共通点が多い。

平日ランチは6品プラス日替わりが1品で、ドリンク付き。週末のランチは3品ある。

人気のロモサルタードは曜日に関係なく提供されている。牛ハラミ肉、ポテトフライ、赤玉ねぎ、トマト、わけぎを油で炒め、醤油と酢、塩コショウで味付けて完成だ。食べてみると、最初にきたのは炭火焼きのようなスモーク感。フライドポテトが旨味たっぷりの甘じょっぱく少し酸味もある汁を吸って、おいしさがグンとUPしている。初めて食べたのに母が作ったような温かみを感じる素朴な料理だ。

調理時間は3~5分ほど。火柱を立てて炒めるが料理はまったく焦げていない。
調理時間は3~5分ほど。火柱を立てて炒めるが料理はまったく焦げていない。
ペルー料理の専門店としてはおそらく日本で最古だという。
ペルー料理の専門店としてはおそらく日本で最古だという。

『アルコイリス』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市幸区中幸町3-32-4 1F/営業時間:11:30〜15:00・17:00〜22:00(土・日・祝は11:30〜22:00)/定休日:無/アクセス:JR川崎駅から徒歩3分

いろんな組み合わせのセットメニューが豊富! 町中華の老舗『狸小路飯店』

ギョーザ+サンマーメン990円。サンマーメン単品は770円。
ギョーザ+サンマーメン990円。サンマーメン単品は770円。

JR川崎駅西口から徒歩4分ほどのところにある1971年創業の老舗『狸小路飯店』。店頭の看板には定食やセットメニューがたくさん。これだけでも1か月ぐらいは毎日違うメニューが食べられそう。単品も含め、店のメニューは約100種類もあるんだとか。

麺ものと点心のお得なセットメニューもいろんな組み合わせができる。この日注文したのは神奈川のローカルフード・サンマーメンとギョーザ(3個)のセット。

立ち昇る湯気とたっぷりの野菜に覆われ、麺の姿はほとんど見えないサンマーメン。もやし、ニンジン、ニラ、キクラゲなどの具材がたっぷりだ。なかなか麺までたどりつけない。どんぶりの下のほうを箸で探って麺を持ち上げると、またぶわっと湯気が立ち昇る。とろみをまとった麺はいつまでも熱々だ。

創業以来変わらないレシピで毎日手作りしているギョーザは肉汁じゅわっ、野菜多めでさっぱりな味わい。これを川崎名物・かわさき餃子みそで食べるとおいしさが2倍3倍に!

川崎で餃子といえば“かわさき餃子みそ”。
川崎で餃子といえば“かわさき餃子みそ”。
JR川崎駅西口のバスロータリーを抜け、西口通り沿い。
JR川崎駅西口のバスロータリーを抜け、西口通り沿い。

『狸小路飯店』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市幸区大宮町5-5/営業時間:11:30~14:00LO・17:00~22:00LO(土は11:30~14:00LO・17:00~21:30LO)/定休日:日/アクセス:JR川崎駅から徒歩4分

素材を吟味したそばこそが真骨頂『幸町 満留賀』の鴨せいろ

鴨せいろ1540円。つけ汁とそばの相性がサイコー。
鴨せいろ1540円。つけ汁とそばの相性がサイコー。

JR川崎駅西口から徒歩7分。契約農家から仕入れたソバの実を石臼で挽き、自家製粉して打つそば店『幸町 満留賀』がある。かつては出前中心のそば屋だったが、現在の2代目店主に代を引き継いでからは“子育ての終わったご夫婦の日常のプチ贅沢”というテーマを掲げる地元の人気店だ。

なかでも自慢は素材を吟味した鴨せいろ。北海道や茨城のソバ農家と直接契約をしている鮮度のよいソバの実を石臼で自家製粉するため、挽きたて、打ちたて、茹でたてのそばが味わえる。

喉越しがよく、ふくよかな香りのそばに合わせるつけ汁には、本鰹と宗田鰹、サバ節で取った出汁を加えて作るかえしを使う。鴨の脂と相性がいいそうだ。

そばを啜ったら口の周りに鴨の脂がまとわりつき、濃厚な旨味の後に爽やかなゆずの香りが追いかけてくる。また、ほどよい火入れ加減でやわらか~い鴨肉と、むっちりとした歯応えで噛み締めるたびに鴨の旨味が染み出してくる肉団子もたまらないおいしさだ。

この日は北海道中標津産のソバ粉で打った二八そば。
この日は北海道中標津産のソバ粉で打った二八そば。
落ち着いた雰囲気のカウンター。テーブル席もある。
落ち着いた雰囲気のカウンター。テーブル席もある。

『幸町 満留賀』店舗詳細

住所:神奈川県川崎市幸区幸町2-680/営業時間:11:00〜14:00・17:30〜20:00LO(土は11:00〜20:00LO)/定休日:火・水/アクセス:JR川崎駅から徒歩7分

取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、羽牟克郎、上原純、コバヤシヒロミ