真岡でニホンカモシカ目撃 国特別天然記念物の県獣 県東に生息例なし

真岡市内で目撃されたニホンカモシカ=29日午前10時25分ごろ、同市亀山(高橋幸恵さん提供)

 1日午前8時15分ごろ、栃木県警真岡署や消防に「大きな動物がいた」「土佐犬より大きい動物が田んぼにいる」と通報があった。真岡市によると、目撃されたのは国特別天然記念物で県獣のニホンカモシカ。県立博物館によると県東部での生息確認は例がない。

 署によると午前9時ごろ、通報を受けて駆け付けた署員が真岡市大和田の畑で体長約1.5メートルの1頭を目撃した。真岡市によると4月29日朝から5月1日午前にかけ下籠谷(しもこもりや)、亀山、大和田、石島と市を北から南に下る形で4件の目撃情報があった。

 市は当初、特定外来生物のキョンの可能性を疑ったが、市職員の目撃情報や下野市駅東5丁目、中学1年高橋美尋(たかはしみひろ)さん(12)が真岡市亀山で撮影した動画などからニホンカモシカと判断。1日、ホームページに注意喚起の情報を出し、市内全小中学校に知らせた。

 高橋さんは4月29日午前、家族で田植えの手伝い中に弟の壮(そう)さん(10)らと目撃。「シカかイノシシと思ったが、テレビで見たニホンカモシカだと気付いてびっくりした」と話した。

 県立博物館は「県内での生息は北西部と西部の山地中心で、そこから来たとは考えにくい。笠間市など茨城県でも確認されているが、現状では関係性は分からない」としている。

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