宇都宮屋台横丁が一時全店休業へ 大規模改修、新装オープンは7月予定

6月2日から休業し改修工事を行う宇都宮屋台横丁=9日、宇都宮市

 宇都宮市二荒町の「宇都宮屋台横丁」が6月2日から約1カ月間、全店で休業し、大規模な改修工事を実施する。開業から20年が経過し、店舗や設備の老朽化が課題だった。改修に伴い23店舗のうち5店舗を入れ替え、7月5日にリニューアルオープンする予定で、施設の魅力を高めて新型コロナウイルス禍で落ち込んだ客足の回復を目指す。

 宇都宮屋台横丁は2004年4月にオープンした。周辺の商店街で店舗の閉店が相次ぐ中、停滞する中心市街地のにぎわいを取り戻そうと、同市内でスーパー銭湯などを展開する村上(宇都宮市問屋町、村上龍也(むらかみたつや)社長)が整備した。敷地面積は約500平方メートルで、天ぷらやおでん、韓国料理や中華料理などさまざまなジャンルの店舗が並ぶ。

 これまでも改修を繰り返してきたが、開業から20年の節目で舗装整備や店舗のクリーニングなど大規模な工事を行うことを決めた。総工費は各店舗の負担分も含めて約3千万円。

 リニューアル後は「大人がゆっくりくつろげる昭和レトロな空間」をコンセプトに掲げる。通路は大谷石から打ち放しのコンクリートに変更し、昭和の路地裏の雰囲気を再現する。

 近くのオリオン通りでは近年、飲食店が急増し違法な客引きや酔客のトラブルが増えるなど治安悪化が問題となっている。村上社長は「落ち着いて飲食を楽しめる空間を提供したい」と話す。

 新型コロナウイルス感染症の5類移行から1年が経過し来場客は増加傾向にあるが、コロナ前の水準には戻っていない。改修に伴う1カ月間の休業には出店者から異論もあったが、村上社長は「今後5年、10年と営業を続けることを見据え、出店者と何度も話し合って休業を決めた。改修で魅力を高め、多様な食文化を楽しめる場所にしたい」と強調した。

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