【西東京】日大三 薄氷逆転勝ち 二刀流・中村がV打&好救援

[ 2018年7月14日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念西東京大会3回戦   日大三7―4都杉並 ( 2018年7月13日    ダイワ八王子 )

<日大三・都杉並>7回途中から登板した無失点に抑えた日大三のエース中村
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は13日、33大会233試合が行われた。西東京大会では春夏連続の甲子園出場を目指す日大三が都杉並に薄氷の逆転勝ち。中村奎太投手(3年)の活躍で、初戦を突破した。北埼玉大会では昌平が強豪・春日部共栄を破った。14日は50大会382試合が行われる。

 最後の打者を二飛に仕留めて初戦突破が決まると、日大三の中村はぐったりとした表情でマウンドを降りた。2度のリードを許す冷や汗ものの展開。その中で背番号1の意地を見せた。打っては3安打、投げては7回途中から救援。21世紀初の夏の王者となった01年など春夏3度の全国優勝校のメンツを守り、「流れを変えてやろうと思った。東京優勝を目標にやっていく中で1つ勝てたのは大きい」と安どした。

 高校入学時は外野手で2年春から投手と兼任。1学年上には同じく投手と外野手を兼ねる桜井(現DeNA)がいた。「良いお手本が身近にいた」と質問攻めし、二刀流の極意を習得。普段の練習でも投手野手のメニュー全部をこなす。「忙しいけれどチームに貢献できるからやりがいがある」と頼もしい。

 持ち前の打撃でこの日は1点を追う6回に右前へ逆転の2点適時打を放った。他の投手が続々と降板する緊急事態にも慌てない。今春センバツで得た教訓が生きた。三重との2回戦で6、7回に投手陣が8失点。中堅を守っていた中村はすぐ肩をつくることができず、継投機が遅れて敗れた。「凄く悔しかった。今日は外野で強めにキャッチボールをして、早めに肩をつくっていた」。7回無死一塁から出番が来ても、冷静に3回を零封した。

 オフと重なり球場に駆け付けた桜井は「中村がいなかったら勝てなかった」と活躍を喜んだ。チームは侍ジャパンU―18代表候補の日置や井上らタレントがそろうが「あいつが(投打)両方やってくれないと困る」と小倉全由(まさよし)監督。5年ぶりの夏の聖地へ、中村の活躍が欠かせない。(松井 いつき)

 ◆中村 奎太(なかむら・けいた)2000年(平12)4月22日生まれ、千葉県出身の18歳。小1から野球を始める。八千代松陰中3年時にU―15日本代表入り。日大三では1年秋からベンチ入りし、今春センバツから背番号1。最速146キロ、高校通算10本塁打。家族は両親と兄。1メートル74、75キロ。右投げ左打ち。

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