松坂が語った日米の“違い” 詰まること恐れず「強く振る」強く感じた意識改革の重要性

[ 2018年11月10日 11:50 ]

日米野球第1戦   侍ジャパン7―6MLB選抜 ( 2018年11月9日    東京D )

放送席に座る(左から)上重聡アナウンサー、中日・松坂、中畑清氏(撮影・三島 英忠)
Photo By スポニチ

 中日の松坂大輔投手(38)がスポニチ本紙に日米野球第1戦の観戦記を寄せた。日米での自らのプレー経験を踏まえ、日米の野球の考え方の違いに言及。さらに、長く日本代表のエースとして活躍した国際大会の経験から、20年東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンへの提言も行った。

 強く振ることの重要性を強く感じる試合となりました。日本はそこに足でプレッシャーをかけられる。9回。柳田君のサヨナラホームランを生んだのが、一塁走者の源田君がプレッシャーをかけ、直球を投げさせる状況にしたこともあると思います。

 3回。日本先発の岸投手がそれまで投げていなかったチェンジアップを本塁打したロサリオ、詰まっても右前打したモリーナ、そして6回に岡田投手から左翼席に運んだソトを見て、改めて感じていたことが、詰まることを恐れないスイングです。柳田君も最後まで貫きました。

 メジャーの野球は、僕が14年シーズンまでメッツに在籍していた頃よりも進化しています。球速100マイル(約161キロ)を投げる投手は各球団に複数いて、95マイル(約153キロ)でボールが動きます。そういった投手と対戦する打者はスイングが強い。フライボール革命にもつながるのですが、強い球や動く球をきれいに打とう、合わせようとする打者は、ほとんどいません。詰まっても、バットの先でも外野に運びます。

 日本の選手も意識の面で参考になります。3回裏の攻撃で、甲斐、田中広の両選手が詰まりながら安打しました。国際大会で戦う上でヒントになり得るものだと感じました。

 国際大会では初対戦の投手ばかりで、日本国内にはいない独特の間合いを持った投手も多くいます。強く振る中で確率を上げる。「動く球」や変則投手相手でも、強く振るためには、日頃から意識して取り組む必要があります。稲葉監督も「スピード&パワー」を掲げていますが、力強さの上に対応力を加味することです。

 ただ、僕は日本の野球のレベルが下だとは思っていません。投手を中心とした守りは世界一だと国際大会、メジャーでの経験を踏まえて言えます。

 今回、若い選手も多く選ばれていますが、日本の選手は、自分の能力を信じることだけは忘れてほしくありません。僕も04年の日米野球では絶対に抑えられると思って投げ、完投勝利を収めることができました。意識は自分で変えられます。勉強したい、何かを得たい、という気持ちも大切かもしれませんが、代表選手である以上、強い気持ちで戦ってほしいと思います。

 最後まで諦めない姿勢、しびれる展開に大きな刺激を受けました。来年に向けてしっかり準備したい。僕も代表に選ばれる選手でありたいとの思いは変わりませんし、できることなら、また日の丸をつけたいと思います。 (中日ドラゴンズ投手)

続きを表示

2018年11月10日のニュース