暴行出場停止明け貴公俊 貴親方が見守る前で出直し1勝!

[ 2018年7月10日 05:30 ]

大相撲名古屋場所2日目 ( 2018年7月9日    ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所2日目>貴乃花親方(後方)が見つめる中、仕切りをする貴公俊(撮影・奥調)
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 新十両だった春場所で付け人に暴行し、1場所出場停止処分を受けた幕下・貴公俊(21=貴乃花部屋)が琴欣旺(31=佐渡ケ嶽部屋)を寄り切り、115日ぶりの白星を挙げた。土俵下で審判員の師匠・貴乃花親方(45=元横綱)が見守る前で復帰戦を飾った。新大関の栃ノ心が千代の国を下し、白鵬、鶴竜の両横綱も危なげなく連勝した。

 取組前、貴公俊は右膝に異変を感じた。土俵下の控えから立ち上がり、そんきょをしようとした際に膝関節の腓骨(ひこつ)がズレてしまった。「気合が入りすぎてパコンと外れた。でも経験がありましたから」と慣れたしぐさで膝をぐるぐる回し元に戻して土俵に上がると、左を差して琴欣旺を一気に寄り切り。「集中してとっさに何も考えずにいけました。久々に緊張しました」

 新十両だった春場所8日目に付け人に手を上げ、場所後に1場所の出場停止処分を受けた。番付も幕下49枚目まで降格。「(暴行を)しなければ、今頃幕内を懸けて十両でやっていたのかと自分を責めるところはまだあります」。そんな落ち込む心を奮い立たせてくれたのがヒップホップMCのAK―69の楽曲「上ヲ向イテ」だった。「“悲劇に感謝 俺のアートにゃ必要なモノだから”というフレーズがあるんですが、自分も前向きに行かなければと思いました」

 土俵下では師匠の貴乃花親方が再出発を見守った。「見られて良かったです。肌で感じられましたから。明日からの指導に取り入れたい」と控えめに喜び「師弟ともども修行の身。感謝の気持ちを持って土俵に上がってほしい。剛という名前ですから強くなってほしい」と期待した。

 「最近はさらに(師匠の)愛情深さを感じるようになりました」と貴公俊。一時は心労などで140キロを切っていた体重も春場所時の154キロまで戻った。「心も体も強くなったと思われる力士になりたい。取りこぼさず、全部勝てるようにしたい」。まだ21歳。今はどんな経験も成長の糧に変えられる。

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