山県、今季ワーストながら2度目の優勝 強烈な向かい風に「押し戻されている感じ」

[ 2018年10月7日 05:30 ]

福井国体第8日 ( 2018年10月6日    福井県営陸上競技場ほか )

10秒58で優勝した広島・山県亮太
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 陸上の成年男子100メートルは山県亮太(26=セイコー)が10秒58(向かい風5・2メートル)で4年ぶり2度目の優勝。会場は桐生祥秀(22=日本生命)が昨年、9秒98の日本記録を出した愛称「9・98スタジアム」。好記録も期待されたが、台風25号の影響で強烈な向かい風にさらされ、タイムが伸びなかった。

 いくら絶好調でも、台風には勝てない。山県は今季最後の100メートルを圧勝したにもかかわらず、ゴール後に苦笑いを浮かべた。10秒58で今季ワースト。向かい風5・2メートルでは仕方なかった。

 「押し戻されている感じ。10秒1を狙いたいと言ってたけど、10秒5か――。それで、苦笑いでした」

 収穫は、広島県代表として国体を制したこと。「生まれ育った町の人が、僕の活躍を誇らしく思ってくれる。それがささやかな楽しみです」。プロ野球・広島の大ファンで、「3連覇にちなんで」と、カープ坊やの絵柄が入った赤の下着をはいて走ったという。

 「9・98スタジアム」には8500人が詰めかけた。日本新はならなかったが、この1年、日本人に先着を許さなかった。「そろそろ自己記録(10秒00)を更新して9秒台に入りたい」。準備は、もう十分できている。

 <アジア金・小池、2位も脱帽> ジャカルタ・アジア大会200メートル金メダリストの小池は100メートル10秒71で2位と健闘。慶大の先輩、山県とは0秒13差で「やっぱり山県さんは足が速い」と笑顔で振り返った。国体に200メートルはないため、100メートルの練習も積んできたといい「もう少し差を詰められるかと思ったんですが…」と悔しがった。今後は冬季練習に入る。「フィジカルのベースアップをしたい」と世界を見据えた。

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