偉大なる名牝ジェンティルドンナの初仔、モアナアネラの状態はいかに

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第23回:モアナアネラ

 先日のGI秋華賞(京都・芝2000m)では、アーモンドアイが完勝。史上5頭目の牝馬三冠を達成した。彼女はこのあと、牡馬混合のGIや海外GIを目指していくことになるだろう。

 実際、三冠牝馬として彼女の先輩となるジェンティルドンナは、三冠達成後、国内の牡馬一線級を蹴散らして、さらには海外のGIも制覇。国内外合わせてGI通算7勝という実績を残し、偉大な名牝としてその名を歴史に刻んだ。

 ジェンティルドンナは、2011年にデビュー。翌2012年に、牝馬三冠の完全制覇を遂げた。とりわけGIオークス(東京・芝2400m)では、2着ヴィルシーナを5馬身も突き離す圧勝劇を披露。翌週行なわれたGI日本ダービー(東京・芝2400m)よりも速い勝ちタイムを記録した。

 三冠を達成したあと、その男勝りの能力はすぐさま日の目を見る。古馬の強豪牡馬が集うGIジャパンC(東京・芝2400m)へと駒を進めると、前年の三冠牡馬で、当時の"現役最強馬"であるオルフェーヴルとの壮絶な叩き合いを制して、まんまと"怪物退治"を果たしたのである。

 4歳になってからは、国内外の牡馬一線級が相手となるGIで惜敗を繰り返したが、ジャパンCで連覇を達成。5歳になると、ドバイシーマクラシック(UAE・芝2410m)で見事な優勝を決めて、海外GIでついに戴冠を遂げ、世界にその名をとどろかせた。

 そして、引退レースとなった2014年の有馬記念(中山・芝2500m)。現役屈指の豪華メンバー相手に鮮やかな勝利を収め、7つ目のGIタイトルを手にして華々しいフィナーレを飾った。レース直後に行なわれた引退式も、大いに盛り上がった。

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