錦織圭がSNSでも明るさUP。ネガティブ思考一掃で楽天OPに挑む

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「ツアーファイナルズへ出られるようにがんばります」

 楽天ジャパン・オープン(10月1日開幕)の出場を目前に控え、錦織圭はあらためて、今季の目指す地点を口にした。

2年ぶりの楽天ジャパン・オープンに挑む錦織圭2年ぶりの楽天ジャパン・オープンに挑む錦織圭 今年も11月にロンドンで開催されるツアーファイナルズは、今シーズン終了時の成績上位8選手のみが参加できる、選ばれし者たちの最終決戦のステージ。現在、錦織はそのロンドンへのレースランキングで10位につけている。登るべきスポットは、あと2つ。ポイント差でいえば、8位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)とは900近くの開きがある。

 錦織が今季出場する大会は、残すところ4つ。他選手との兼ね合い次第ではあるが、目標到達のためには、すべての大会での上位進出が絶対条件となってくる。わけても、モチベーション維持と勢いをつけるためにも、ジャパン・オープンが占める比重は大きい。例年、過度な注視と直面しながらの戦いではあるが、今年はさらに、自らにも大きな期待を寄せて迎える地元開催の大会となる。

 昨年は、8月に負った手首のケガで欠場したため、錦織にとっては2年ぶりとなるジャパン・オープン。開幕の1週間前からすでに種々のイベントやスポンサー回りなどで多忙な日々を過ごしている錦織だが、抱えるプレッシャーは例年よりも小さいかもしれない。

 テニス面では、とくに復帰直後の2〜3月ごろやこの夏では、脳や身体に染みついた好調時の記憶と現実の乖離に「ネガティブな感情がすごく多かった」と、先の全米オープン時にも錦織は告白した。その負の感情を打ち消すべく、オフコートでも意図的にポジティブに過ごしてきた側面もあるだろうが、コートに立つ喜びを......そしてふたたび険しき山の山頂を目指すそのプロセスを、「苦しみながらも、それも楽しめている」とも彼は言った。

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