石川の妹、秋田美人と称される選手など。
春高バレーで注目の逸材たち

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

下北沢成徳のキャプテンを務める石川真佑下北沢成徳のキャプテンを務める石川真佑 全日本バレーボール高等学校選手権大会が、1月5日に武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕する。栗原恵と大山加奈の"メグカナ"、木村沙織、柳田将洋、石川祐希など、多くのスターを生み出してきた「春高バレー」。71回目となる今大会も全日本の未来を担う新星が現れるのか。出場する男女の注目選手を見ていこう。

 まず女子で最大の目玉となるのは、下北沢成徳高等学校(東京)の3年生エース、石川真佑(174cm・アウトサイドヒッター)だ。全日本男子のエース・石川祐希の妹で、兄ゆずりのキレのあるスパイクと、端正なルックスも相まって1年生の時から注目を集めてきた。

 キャプテンとして迎えた今年度は、インターハイ、国体を制し、春高バレーで「3冠」を目指す。連覇を狙った前回はベスト4にとどまっただけに、「春高は3年間の集大成。キャプテンとしてチームを引っ張りたい」と意気込む。スランプに陥った時には、イタリア・セリエAでプレーする兄からラインで長文のアドバイスをもらうことも。兄の支えも力にして成長した石川は、高校最後の春を笑顔で終えられるのか。

 ライバルは、前回女王の金蘭会高校(大阪)、準優勝校の東九州龍谷高校(大分)になるだろう。金蘭会へのリベンジを誓う東九州龍谷は、現在の全日本女子のキャプテン・岩坂名奈や、"打ち屋"の長岡望悠らを輩出した九州の名門。今年も184㎝の2年生、荒木彩花(ミドルブロッカー)という逸材を擁している。

 ミドルブロッカーの層の薄さが課題のひとつに挙げられる全日本女子にとっても、荒木は「動ける長身選手」として期待されている。「ブロックでは誰にも負けない」と語る荒木は、今季は全日本ジュニアに選出されてアジア選手権を優勝。国際大会を経験して逞しさを増した大黒柱が、「3年生のためにベストを尽くします」と闘志を燃やす。

 もうひとり、2年生の注目株が、秋田北高校(秋田)の野中瑠衣(177cm・アウトサイドヒッター)だ。小学校低学年の頃はバスケットボールに打ち込んでいたが、バレーに出会ってからその面白さに引き込まれ、才能を開花させた。

 同級生である東九州龍谷の荒木、金蘭会の宮部愛芽世(あめぜ)とは全日本ユースの合宿で交流があり、中学3年時には3人揃ってJOCのオリンピック有望選手に選ばれている。昨年の春高の決勝で、荒木と宮部が戦う姿を見て「自分もあの舞台に立ちたい」と奮闘。2年生エースとして秋田県予選を戦い、チームを4年ぶりの春高出場へと導いた。"秋田美人"な選手として注目されているが、春高バレーではプレーでもファンを驚かせてほしい。

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