J-オイルミルズ、低負荷の成長ドライバー「長徳」シリーズさらに拡売、CO2見える化・CFPマーク取得商品も好評/富澤亮常務執行役員インタビュー

J-オイルミルズ・富澤亮常務執行役員油脂事業本部副本部長兼営業管掌
J-オイルミルズ・富澤亮常務執行役員油脂事業本部副本部長兼営業管掌

――2022年度を振り返って

外食市場は、インバウンドの回復や全国旅行支援を受けて一定レベルに回復したものの、業務用油脂市場においては、特に下期以降、油脂価格高騰に伴う想定以上の使用延長や揚げ物メニューの減少などにより、重量市場は前年を下回って着地したと推測している。

業務用が外食などのマーケットの回復通りに戻らない要因はいくつかあると見立てている。1つは揚げ物メニュー自体を減らす動きだ。外食においては食材別の仕入れ額ランキングで食用油は上位の食材であるため、油の使用量を減らす動きがある。2つ目は、量販店総菜を中心に昨年度下期から濾過機や濾過材の導入が進み、油の使用延長が図られていることだ。また、油調済みの冷食を導入する店舗が増えており、これにはコストの低減と、調理負荷を減らす2つの目的がある。

――価格改定の進捗状況について

価格改定の進捗度合いは、全体として概ね理解いただいている中で一定レベルまでは実現できている。2年間でJ-オイルミルズでは計7回の価格改定を実施した。卸・流通各社から事業環境についてご理解いただき、心より感謝している。一方で、特に外食店を中心とする最終ユーザーには、大変ご迷惑をかけており、心苦しく思っている。

原料相場はピーク時からは落ち着きを取り戻しているが、一部の油種では予断を許さない状況だ。その代表がオリーブオイルで、国際相場は2022年対比45%高となっている。さらにスペインの生産量は2022年比55%減の70万t前後になる見込みだ。オリーブオイルに関してはまだまだ価格改定を進めなければならないと思っている。

――業務用での独自の取り組みと成果を

第六期中期経営計画成長戦略の「低負荷」の成長ドライバー商品である「長徳」シリーズの更なる拡売を進めていく。油が長持ちすることによるコスト削減や油の交換頻度が減ることによる労働負荷軽減の提案は引き続き継続していく。2022年6月に拡大したCFP (CarbonFootprint of Products)マーク取得商品は引き続き好評だ。「JOYL PRO」の引き合いも増えている。外食の人手不足は尋常ではなく、調理スタッフの負荷を減らすためニーズがあり、人手不足対応に貢献している。バターの品不足から、「JOYL PRO バターフレーバーオイル」の引き合いはかなり増えている。自然なバター風味と評価が高い。

〈油脂とスターチの両方を持つ強み、卵の量を減らしておいしく仕上げる提案も加速〉

――2023年の業務用の施策を

J-オイルミルズは外食大手、中食大手のお客様の比率が高く、それらユーザーといかにパートナーシップで取り組みができるかが大事だ。キーワードはソリューション(課題解決提案)で、「おいしさ」、「健康」、「低負荷」がキーコンセプトになる。特に「おいしさ」では、油脂とスターチ(でんぷん)の両方を持っていることが他メーカーにないJ-オイルミルズの強みだ。油脂とスターチ、さらにプラントベースフード(PBF)を持つ強みを掛け算するトータルソリューションを強化してきたが、その重要性が高まっているのでさらに強化していきたい。

外食・中食の代表的なメニューのから揚げをおいしくする取り組みとして、スターチ製品の「ハイトラスト」を用いたアプリケーションで目覚ましい採用事例が出てきた。どのタイミングで「ハイトラスト」を加えるかなどのノウハウと、調味油の「JOYL PRO ねぎ油」や「JOYL PRO ガーリックオイル」などを組み合わせることで、から揚げをさらにおいしくする提案を行っている。

「ハイトラスト」には保水効果があり、揚げ中に肉の水分を逃さないことでジューシー感が向上する。歩留まりが改善し、重量当たりのコストも下げられる。

日本唐揚協会主催の「からあげグランプリ」でもJ-オイルミルズのユーザー複数社が上位賞を受賞しており手応えを得ている。水分やエキス分がフライ油の中に流出しにくく、油の劣化を抑制する価値があることも分かった。「おいしさ」と「低負荷」の両立につながっている。さらに油を「長徳」に変えることで、その価値を最大化する提案を加速していく。

鳥インフルエンザ流行による卵不足やコスト増への対応としては、プラントベースたまご対応を想定した機能性スターチに「JOYL PRO たまご香味油」や素材のコクを引き上げる効果のある「エンハンスオイル」、料理のコクを高める「美味得徳」といった調味油を組み合わせることで、卵の量を減らしながら卵サラダや卵製品の加工品をおいしく仕上げる提案を行っている。非常に反応が良いため、提案を加速している。

〈大豆油糧日報2023年5月9日付〉

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昭和33年(1958年)1月
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