女優 佐津川愛美さん 「お母さんのことを世界で一番愛してる」という父はかっこいい

(2018年11月4日付 東京新聞朝刊)

家族のこと話そう

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幼少期の家族との思い出について話す佐津川愛美さん(岡本沙樹撮影)

友だち家族も「ファミリー」と大切にした、旅好きの父

 両親ときょうだい4人、おじいちゃん、おばあちゃんの8人家族で育ちました。私は、きょうだいで上から3番目の長女でした。

 幼いころから、家族みんなで夏は山や川へキャンプ、冬はスキーに必ず行っていました。父が旅行代理店に勤めていて、旅行の計画を立てるのが好きだったんです。仕事でよく海外にも行っていましたが、いつもお土産を買ってきてくれました。キャンプの写真を見返すと、父がハワイで買ってきてくれたおそろいのTシャツを家族で着ているんです。キャンプには父の友だちの家族もよく一緒に行ったんですが、父は家族はもちろん、友だちのことも「ファミリー」と呼んで大切にしていました。

旅立ちに手紙「心配していません。ちゃんと育てたつもり」

 きょうだいはみな、「自分の将来は自分で決めなさい」という父の方針のもとで育ちました。「義務教育は中学までだから」と、高校に進学するときでも、行きたい理由を父の前でプレゼンしないといけないんです。私は、中学2年のときから芸能界に入り、当時は静岡の実家から仕事のために東京に通っていました。だから、「なぜ、東京の高校に行きたいか」を自分なりに考えて発表しました。

 自分で選んだ道は全力で応援してくれました。東京に引っ越すとき、父は「いささか早い旅立ちとなりましたが、父は心配していません。ちゃんと育てたつもりです」と書いた手紙を渡して送り出してくれました。

キザかな?「世界一、愛してくれる人と結婚しなさい」

 にぎやかなのが好きな父に対し、母は真面目な性格。子ども4人を育てるのはとても大変だったと思いますが、いつも料理を作ったり、習い事の送り迎えをしてくれたりと支えてくれました。そんな母に対する感謝の気持ちを父はいつも持っていて、「お母さんのことを世界で一番愛してる」って、私たちの前で恥ずかしげもなく言っていました。

 父の性格は、亡くなったおじいちゃんと、おばあちゃん譲りなんだと思います。おじいちゃんは私が幼いころに病気で倒れ、10数年間、寝たきりの生活を送りました。おばあちゃんは愚痴一つ言わず、毎日、介護をしていました。逆に、おじいちゃんも、少し年下だったおばあちゃんをとてもいとおしく思っていたそうです。

 そんな2人を見て育ったから、父も母への愛情を隠さなかったんだと思います。「世界一、愛してくれる人と結婚しなさい」なんて、父以外の人に言われたことはありません。中学生のころはきざなセリフだなと思ってましたが、堂々としていて、いまはかっこいいなと思います。

さつかわ・あいみ

 1988年8月、静岡市生まれ。14歳でスカウトされ、これまでに100作超の映画やテレビドラマに出演。映画「蝉(せみ)しぐれ」(2005年)で、ブルーリボン賞助演女優賞にノミネートされた。現在放送中のドラマ「結婚相手は抽選で」(フジテレビ系、土曜午後11時40分)に出演。

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