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国内テニス

【伊達公子】プロを目指すジュニアがすべきこと。漫然と練習をしても進歩はない<SMASH>

伊達公子

2021.05.14

ジュニアは自分の目指すテニスを考え、取り組んでいくべきだという伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

ジュニアは自分の目指すテニスを考え、取り組んでいくべきだという伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 コロナ禍以前を考えると、テニスの試合に追われているジュニアがすごく多く、まだ選手としての不安材料を抱えているのに試合に出続けているという状況でした。だからこそ今のコロナ禍は、自分がやるべきことは何かを考え、それに取り組むことに時間を費やせる機会だと思います。

 年齢にもよりますが、小さい子でなければトレーニングの仕方を見つめ直せる最高の時間です。ケガしがちな人なら、まずはケガを直して、ケガをしない身体作りに取り組む。技術面でも完成しているジュニアはいないので、最終ゴールを見据えて、自分の目指すテニスはどういうものなのかを考え、自分が今やらなければならないことを実行に移すこと。

 こんなことを考えて行動していると、意外と時間は足りないぐらいでしょう。この突然できた時間は、ジュニアにとっては、とてもプラスになると私は思います。

 いつこの状況が終わるかが見えないのは難しい部分ですが、今はプロにとってのオフシーズンにある意味似ていると思います。オフシーズンは他の選手がどんなことをやっていて、どれだけ強くなっているのかがわかりません。シーズンが開幕して、「どうなんだ?」という探り合いが始まります。そして、調子がいい人、仕上がっていない人が見えてくるんです。
 
 シーズン開幕のように、一斉に通常の状態に戻ることはかなり難しい状況です。すでに世界では開催されているところ、またジュニアが積極的に大会を求めてITFの下部レベルにトライしている選手も多いと聞いています。日本においてもいつどんな形で大会が継続してスタートする時に、後れを取らないように、中期で考えたことに取り組んでおくことが大事です。

 今までしてきたことの延長線上でやっていると変化は生まれませんよ。つまり、試合があって同じ内容の練習だけをやっていてはダメです。この時期のための目標設定をして、そのために何ができるのかまで落とし込まないといけません。

 指導者はこの点を理解して、リードしていく必要があります。そうしないと、せっかく生まれた時間を最大限に有効活用することはできません。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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