衝撃の試合と言ってもいいかもしれない。

　７月29日に東京体育館にて行なわれた卓球女子シングルスの準決勝で、日本の伊藤美誠は、中国代表の孫穎莎と対戦。第２ゲームで９－３から連続８ポイントを失うなど、精彩を欠き、０－４のストレート負けを喫した。

　試合後、日本のエースを圧倒した孫に完勝できた理由を訊くと、「とてもいいパフォーマンスができた」と切り出し、こうセミファイルを振り返った。

「やはりターニングポイントは第２ゲームで逆転できたことです。そこで自信がつきました」
  　ともに20歳のライバルである伊藤については、「イトウ選手は同い年で、毎回対戦するのを楽しみにしています。試合をすると、自分の勉強になるし、彼女も対戦する度に強くなるのが感じられます。これほど強い選手と対戦したおかげで、自分もどんどん強くなれた」とリスペクトしている存在であることを明かした。

「自分のメンタルをコントロールして、必ず勝てるという信念を持って試合に臨んだ」と強い気持ちでライバル決戦に挑み、水谷隼とともに混合ダブルスで中国ペアを破った伊藤にリベンジを達成した孫。その気迫溢れる戦いぶりは、圧巻の一言だった。

取材・文●江國 森（THE DIGEST編集部）

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