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マラソン・駅伝

「なぜペースメーカーが機能しなかったのか?」新谷仁美のコーチが指摘!日本新出せず本人は悔し涙【東京マラソン】

THE DIGEST編集部

2024.03.04

前半の遅れが響き、2時間21分50秒でゴールする新谷。写真:鈴木颯太朗

前半の遅れが響き、2時間21分50秒でゴールする新谷。写真:鈴木颯太朗

 3月3日に『東京マラソン』(東京都庁前~東京駅前)が行なわれた。大会前、男子はパリ五輪をかけた最終選考として日本陸連が設定したタイムを、女子は日本記録の更新に期待を寄せられていた。だがいずれの記録も出ず。大会後、ペースメーカー(PM)の役割が大きな波紋を呼んだ。

 その影響を受けたひとりが、女子日本記録に挑んだ新谷仁美(積水化学)だ。当初1キロ3分16~17秒で走る予定だったが、2秒近く遅いペースだった。だが一向にPMのスピードは上がらず、15キロ地点では日本記録ペースからは約30秒遅れ。後半巻き返そうと自らペースアップするも、力を使い果たし2時間21分50秒に終わった。

 レース後に悔し涙を流した新谷は、「ハーフまではリズムよく走りたかったので、PMを信じようと思っていた。42.195キロをストレスなく走り切ることを考えたら、前半から1キロずつ(タイムを)見ることを避けたく、ハーフまでは引っ張ってもらおうと思っていた」と振り返る。

 楽にレースを進めていた新谷だが、ハーフ手前で横田真人コーチから「遅い!」と指摘を受けた。「そこでヤバいと思い、そこから変なリズムにはまってしまった」と明かすも、「でも私自身が早々に気づけばよかった。時計は付けていたので、ストレスなく走りきることを優先したため起きてしまった。これは自分の反省点」と口にした。
 
 全てがPMの責任ではないものの、納得がいかないファンや関係者が多く、物議を醸した。昨年1月のヒューストンマラソンで2時間19分24秒の好走を演じた際に、PMを務めたコーチの新田良太郎氏は自身のX(旧ツイッター)で以下のように言及した。

「レースは生物でどんな状況にも対応するってのはその通りなんだけど、なぜペースメーカーが機能しなかったのか?考えられる要因と今後の対策も知りたいな。PMのせいで記録が...とか全く思ってなくて、だけど大会を開催した以上、運営側は常に課題を改善しないといけない。

 ペースメーカー(PM)は人間なのでタイムが前後するのは当たり前に起こる。それを前提に大会側がどうマネジメントするかが大切だし、PMは本当に神経を擦り減らしてレースの流れを作ってくれてるから批判の対象になることは良くない。なので運営側が改善して環境を整備する必要がある。

 ペースメーカーが必要か?不要か?は各大会が判断すれば良い。どちらが正解とか無いので大会のコンセプトを明確にして、選手は好みの大会を選ぶ、というだけだと思います」

 男子の方のPMも不安定なペースかつ、給水は立ち止まり自分のボトルを探す場面が見受けられるなど、課題が多く浮き彫りになった今大会。今後、どのように改善されるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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