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なぜ桜の戴冠をできたのか。ステレンボッシュの「潜在能力」「国枝厩舎の手腕」「モレイラ騎手の絶妙技術」の“三位一体”が最高の結果を生む【桜花賞】

三好達彦

2024.04.09

単勝2番人気のステレンボッシュが直線抜け出し、桜花賞を制した。写真:産経新聞社

単勝2番人気のステレンボッシュが直線抜け出し、桜花賞を制した。写真:産経新聞社

 牝馬クラシックの第一弾となる桜花賞(GⅠ、阪神・芝1600m)が4月7日に行なわれ、単勝2番人気のステレンボッシュ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)が、1番人気のアスコリピチェーノ(牝3歳/美浦・黒岩陽一厩舎)に3/4馬身差をつけて優勝した。僅差の3着には、後方から追い込んだライトバック(牝3歳/栗東・茶木太樹厩舎)が入った。

 一方、3番人気に推されたクイーンズウォーク(牝3歳/栗東・中内田充正厩舎)は直線で伸びを欠いて8着まで。また、4番人気のチェルヴィニア(牝3歳/美浦・木村哲也厩舎)は13着、5番人気のコラソンビート(牝3歳/美浦・加藤士津八厩舎)は16着に大敗した。

 レース前には混戦模様だとも言われた桜花賞戦線だったが、終わってみれば残酷なまでに馬ごとの適性、ポテンシャル、メンタルの問題などを剥き出しにするような展開に。加えて、ジョッキーの技量まで露わになるシビアな一戦となった。

 ゲートが開くと、外枠から手綱をしごかれてショウナンマヌエラ(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)が先頭に立ち、エドヴプレ(牝3歳/栗東・藤岡健一厩舎)がそれを追走する。そして、絶好のスタートを切ったコラソンビートは3番手に控えようとするが、燃える気性にスイッチが入ってしまったのか、口を割り、頭を上げ、首振りと、まともに引っ掛かった様子を晒してしまう。
 
 そんな激しい先陣争いが繰り広げるなか、チェルヴィニアは先団の6番手をキープ。アスコリピチェーノとクイーンズウォークは中団の8番手付近に。ステレンボッシュはそれを前に見る形で11番手に付けた。

 先頭の3ハロンは34秒5、1000mの通過ラップが58秒1と、流れはやや速めの平均ペース。当週から極端なトラックバイアスは生じておらず、位置取りに左右されない地力勝負の展開となった。

 迎えた勝負の直線。エトヴプレが粘りを発揮して先頭に躍り出たが、そこへ襲い掛かったのが、後方から徐々に位置を上げながら馬群を割ってきたステレンボッシュだった。そこへ外からアスコリピチェーノ、ライトバック、スウィープフィート(牝3歳/栗東・庄野靖志)らが急襲する。しかし、ステレンボッシュは坂上で手前を替えると二の脚を使って迫るアスコリピチェーノを抑え切り、一冠目のゴールを駆け抜けた。
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