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MLB

PSに出られないのに存在感は絶大?大谷翔平との絡みが話題となったレッドソックス戦士に米メディアが脚光!

THE DIGEST編集部

2021.10.22

エンジェルスでは、本塁打を打った大谷(17番)をベンチ前で一番に出迎える役を担っていたイグレシアス(4番)。そんなベテランのフォア・ザ・チームの精神は新天地でも健在だ。(C)Getty Images

エンジェルスでは、本塁打を打った大谷(17番)をベンチ前で一番に出迎える役を担っていたイグレシアス(4番)。そんなベテランのフォア・ザ・チームの精神は新天地でも健在だ。(C)Getty Images

 レギュラーシーズンが終わってからおよそ1か月。MLBのポストシーズンが活況を呈するなか、ひとりの名手にスポットが当てられている。ボストン・レッドソックスのホセ・イグレシアスだ。

 イグレシアスの名前を知っている日本人ファンも少なくないだろう。今年9月3日までロサンゼルス・エンジェルスに在籍していたからだ。大谷翔平がホームランを打った際にベンチで真っ先に出迎える彼は、たびたびクローズアップされた。

 そんな現在31歳のベテラン遊撃手だが、実はこのポストシーズンでのプレーはできずにいる。というのも、9月以降に新チームと契約を締結した選手であるため、MLBの規定により出場資格がないのだ。
【動画】MLB公式のクローズアップ! イグレシアスの大谷翔平お出迎えシーン

 ではなぜ、話題となるのか。それは出られないにもかかわらず、裏方としてチームをサポートし続けているからである。タクシースクワッド(予備登録メンバー)としてベンチ入りは許されているイグレシアスは、レッドソックスの誰かがホームランを打てば、大谷の時と同様に真っ先に出迎えて、チームを大いに盛り上げる。

 そして、若手には率先してアドバイスを贈る。その効果が表れたのが、現地時間10月12日に行なわれたタンパベイ・レイズとの地区シリーズ第4戦だ。

 5対5で迎えた9回裏無死1塁の場面で、レッドソックスはクリスチャン・アローヨが送りバントで好機を演出。結果としてそれがエンリケ・ヘルナンデスのサヨナラ犠牲フライに繋がったのだが、この試合前にアローヨにバントを指導していたのが、イグレシアスだったという。
 
 まさに縁の下の力持ちだ。そんなベテラン戦士に、チームメイトや指揮官も脱帽する。米メディア『Yahoo Sports』の取材で、チームの主砲であるカイル・シュワーバーが「あの男がいなきゃ俺たちはここまで来れてない」と絶賛すれば、アレックス・コーラ監督も「かけがえのない存在だ」と強調する。

「コミュニケーション能力、野球の理解度、毎試合への集中力など、あらゆる点において素晴らしい存在だ。プレーはできないけど、チームに多大なる影響をもたらしている。いつも、どんな時でも、真剣に野球の話をしていて、チャンピオンリングを手に入れるために自分の役割を全うしてくれている。彼がいなければ、我々はこの時期に野球ができていたか分からない」

 このオフにはFAとなるだけに、決して穏やかな状況ではない。それでもイグレシアスは、「プレーできないのは楽じゃないけど、一日一日を大切にして、できる限りの貢献がしたいんだ」と語る。

 現地時間10月20日に行なわれたリーグ優勝決定戦シリーズで、ヒューストン・アストロズに3勝目を挙げられて王手をかけられたレッドソックス。文字通り崖っぷち立たされた彼らはイグレシアスの貢献に報いるためにも、ここから挽回できるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
 
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