悩めるアタッカーがEUROで決定率“42.89%” スターリングに復活のときは来るか

EUROでイングランド代表の貴重な得点源となっているスターリング photo/Getty Images

まだ改善の余地はあるものの

2020-21シーズンこそ所属するマンチェスター・シティで思うような時間を過ごすことができていなかったアタッカーだが、彼は国際舞台で調子を取り戻すことができるのか。現在開催されているEURO2020にて、イングランド代表FWラヒーム・スターリングには復活への道筋が見え始めている。

今季はマンCでリーグ戦31試合に出場し、10ゴール8アシストを記録したスターリング。数字だけを見ればそれなりの結果は残したのだが、最後のリーグ戦15試合で彼が決めた得点はわずか「2」だった。終盤戦はその決定力の低下によって各方面から批判の声も噴出し、なかには今回のEUROにおけるイングランド代表選出に疑問の声を寄せる人もいた。マンCでは放つシュートに可能性を感じない場面も少なくなかっただけに、そういった意見が出るのも無理はなかったといえるだろう。

しかし、EUROに入ってからのスターリングは徐々にかつての得点感覚を取り戻し始めたか。まだ改善すべき点はあるものの、ゴールを奪うという点に関していえば同選手には希望の光が見えている。今大会では得点力不足に悩まされているイングランド代表だが、そのなかでスターリングはここまでの4試合で3つのゴールを決めている。スリーライオンズの総得点が「4」であるだけに、その数字には少し驚かされるところがあるだろう。
加えて、スターリングのシュート決定率も興味深い。データサイト『SofaScore』によると、今大会における彼の同スタッツは実に42.89%(シュート7本中3得点)となっている。これはEURO2020でここまで3得点以上を記録している選手のなかでトップの数字。40%以上を記録しているのはスターリングただ1人だ。なお、参考までに2020-21シーズンのプレミアリーグにおける同選手のシュート決定率は14.29%。試合数には大きな差があるものの、ここまで違うのは非常に面白いといえるだろう。

依然としてボールを持ちすぎる傾向も見て取れるだけに、パフォーマンス全体でいえば改善の余地はあるかもしれない。しかし、アタッカーとして何より重要な得点感覚は、今回のEUROでスターリングに戻りつつあるのか。まだ完全復活は遠いかもしれないが、その道筋は見えつつあるスターリング。悩めるアタッカーが再び喝采を浴びるときが待ち遠しい。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ