大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)を控えた4日、元大関の幕下朝乃山(28=高砂)が東京・墨田区の高砂部屋で稽古を行い、四股など軽めの調整で汗を流した。9月の秋場所は東幕下15枚目で6勝1敗。全勝優勝を逃し、十両復帰は持ち越しとなった。

 今場所の番付は東幕下4枚目。改めて関取復帰を目指す朝乃山は「今年最後の場所ですので、いい成績を残して来年を迎えたい。先場所は優勝できなかったので、まずはしっかり優勝して文句なしに上がりたい」と気持ちを新たにした。

 昨年5月、日本相撲協会が定めるコロナ対策の規則(不要不急の外出禁止)に違反していたことが発覚。6場所出場停止処分を受けた。土俵に立てなかった時期は、後援者などの勧めでバドミントンの元世界王者・桃田賢斗の著書「自分を変える力」を読んで深い感銘を受けたという。

 朝乃山は「桃田さんも世界ランキング1位でしたけど、賭博で無期限停止(処分)を受けて。上に行って落ちて、またはい上がってきた。読んでみたら(自分にとっての)アドバイスが書かれているなと思った。『もっと強くなるために』とか『自分を変えたい人へ』とか…僕の将来に合うかなと」と振り返った。

 地元・富山では、朝乃山の十両復帰のタイミングで激励会などを開催する動きもある。元大関は「まだ周りの目が気になりますね。富山県民の皆さんを裏切ってしまったわけですから。土俵の上で白星を重ねていって、もう一度心の底から応援されるような力士を目指したい」と決意を語った。