12日放送のTBS系「ひるおび」で、王座戦を制し史上初めて全タイトルの八冠を獲得した藤井聡太八冠(21=竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖)の話題を取り上げた。

 第71期王座戦第4局が11日、京都市で行われ、藤井聡太七冠が永瀬拓矢王座を破り、3勝1敗で王座を初獲得。前人未到の八冠制覇を達成した。

 藤井八冠の師匠・杉本昌隆八段は「ここまでたどり着くとは思わなかった。これでタイトルホルダー1人になり、全棋士が藤井八冠に向かって行くことになった」と感慨深げに語った。

 第4局は終盤、永瀬王座が勝勢となったものの、1分将棋の中、時間に追われた永瀬王座が痛恨の失着。直後、ミスに気づいた永瀬王座が頭をかきむしるシーンも話題になった。

 このシーンについて杉本八段は「あれは藤井八冠が形作りをして、首を差し出した直後に指した手だった。時間に追われミスをしたが、指した直後に永瀬さんはミスに気づいた。あと3秒あれば正解手を指して勝っていたと思う」と指摘した。

 ここまでタイトル戦18連勝と負けなしの藤井八冠。しかし、杉本八段は「藤井八冠にタイトル戦で最初に勝つのは永瀬さん」と見ている。「今回の王座戦で永瀬さんの強さを再認識した」と4局を通して、藤井八冠を追い詰めた永瀬前王座の実力をたたえた。