巨人の高梨雄平投手(31)が30日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万増の1億2000万円でサインした。

 今季も大きなケガなく乗り切った。3年連続50試合以上登板となる55試合に登板。一方で精彩を欠く場面も見られ、防御率4・19は自己ワースト。特に阪神戦は10試合に登板して防御率10・13と苦戦を強いられた。

 それでも、球団からはコンスタントに投げ続けたことや後輩への指導などを高く評価された左腕。中継ぎ投手としては数少ない大台を突破している選手ではあるが、昨年同様、本人の中に葛藤はあるようで…。

「この時期は毎年吐き気がする感じがする」と率直な心境を明かした。「中継ぎをやって7年になるが、生活を安定させるような尺度としてのお金を稼げて良かった」としながらも「いろいろな選手の評価や年俸を目の当たりにして、一プレーヤーとしての金額を見た時、僕が日本で4~5億取れることはなくて。自分は人生の中で時間やお金のコストを野球に相当かけているが、それなのにこれくらいかと思ったり…」とジレンマのような思いを語った。

 ただ決してネガティブな意味ではない。「悪い意味じゃなくて、そういうものを抱えながら『もっとうまくなりたい』、『良い選手になりたい』と思いながら来年の契約もできたので、めちゃくちゃ良い人生だなと思った」と自らの野球人生に確かな手ごたえをつかんだ様子。

 今季の悔しさと収穫をひっくるめて、来季は「ポジションはどこでもいいので、とにかく試合に投げて何かしらの形で貢献したい」と力強く意気込んだ。

(金額は推定)