まさかの後押し!? 全日本プロレスで3冠ヘビー級王者・中嶋勝彦(35)が掲げて物議を醸す「闘魂スタイル」について、「猪木イズム最後の継承者」と呼ばれる〝野獣〟こと藤田和之(53)が意外な発言を繰り出した。さらに3月2日のノア愛知・名古屋国際会議場大会でのジェイク・リー戦に向けても野獣節を展開。2024年も絶好調だ。

 若手時代から〝燃える闘魂〟アントニオ猪木さん(享年79)の薫陶を受けてきた藤田は「猪木イズム最後の継承者」と呼ばれ、プロレスと総合格闘技で教えを体現してきた。その猪木さんをほうふつとさせる言動とともに「闘魂スタイル」を掲げ、全日本で暴れているのが中嶋だ。騒動は全日本内にとどまらない。猪木元気工場(IGF)は「闘魂」を中嶋が無断で使用しただけでなく、全日本側が「闘魂スタイル」の商標を出願していたことで、1月末付で弁護士を通し、中嶋と全日本に警告書を送付する事態に発展した。

 一連の問題について問われた藤田は「話には聞きましたよ」と満面の笑みを浮かべる。そして「別にいいんじゃない? 誰が(闘魂に)なってもいいと思う」とうなずいてみせた。さらに盟友の〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンが「俺と藤田さんが加われば、彼も本物になりますよ。3人で『闘魂スタイルズ』だ」と話したことについても「カシンが言うならそれでいいんじゃない?」と、闘魂の継承者らしからぬ発言を繰り出した。

 真意を再度問うと「そんなことより一昨日、娘がレスリングの表彰で千葉県議会に行ったんですよ」と露骨に話題を転換。「それで振り返ったらKENSOの奥さんの(千葉県議会議員)鈴木ひろ子さんがいたそうです。娘は『ディーバに会った!』って喜んでました」とよく分からないエピソードを雄弁に語るだけだった。

 話題をジェイク戦への意気込みに切り替えたが「一昨日聞いたけど、なんで組まれたのかなあ。契約も含めて検討する」と話すのみ。4日のノア仙台大会のタッグ戦で対戦した印象も「仙台? 『笹巻きえんがわずし』がおいしかったです。カシンに教わって帰りに買って〝居酒屋新幹線〟をやったんだけど、缶のハイボールを8本飲んじゃいましたよ」とのらりくらりだった。

 ノアの新ブランド「LIMIT BREAK」の第1弾興行(15日、後楽園ホール)では、新日本プロレスの真壁刀義と激闘。強烈なビンタで真壁にヒザをつかせるなど相変わらずの規格外なパワーを見せつけた。トークも戦いも絶好調。しばらく鳴りを潜めていた野獣が、再び方舟を揺らしそうだ。