エンゼルスの大谷翔平投手(26)は21日(日本時間22日)に本拠地アナハイムのエンゼル・スタジアムで行われたレンジャーズ戦に「2番・DH」で出場し、3回に日米通算100号となる5号を放ち、3打数1安打1打点だった。チームは4―7で逆転負けした。このメモリアル弾の「ある速さ」に全米は騒然となった。投打の二刀流は日米の野球ファンを驚かせ続ける。

 日米通算のメモリアル弾が飛び出したのは1―0の3回だ。二死無走者で相手先発は右腕フォルタネビッチ。初回は内角低めギリギリにフォーシームを決められ、見逃し三振に倒れている。

 初球、真ん中高めのシンカーをファウル。2球目はフォーシームが外角高めに外れ、3球目は真ん中のチェンジアップをファウル、4球目のフォーシームは真ん中低めに外れた。そして5球目、真ん中に甘く入った83・4マイル(約134キロ)のスライダーをすくい上げるようにフルスイング。高々と上がった打球は右中間席に飛び込んだ。飛距離402フィート(約123メートル)、打球速度107マイル(約172キロ)だった。

 これで米4年目で通算52本塁打となり、日本時代の5年間で放った48発と合わせて日米通算100号となった。

 大谷はいつもと変わらず淡々とした表情ながら、大股でまるでスプリントするようにダイヤモンドを駆け抜けた。そのスピードは実に17・3秒。

 試合を中継したバリースポーツ・ウェストのダーロン・サットン・アナウンサーは「まるで短距離走でもするようだ! 投手の多くが登板の翌日走ってるけど、翔平は試合でその機会を得たようだ」。

「リプレー再生している間にすでに翔平はダグアウトにいたんだよ」

「17番が17秒でホームイン」

「楽しい本塁打だったね。翔平も実にエンジョイしていた」と絶叫した。

 米大リーグ(MLB)公式サイトによれば、17・3秒はランニング本塁打を除き、外野フェンスを越えた本塁打として現時点で今季のメジャーで最速だという。同サイトが各チームの試合ごとに興味深い記録として発表している「スタット・オブ・ザ・デー」に選出した。

 メジャー初のリアル二刀流で出場した4日(同5日)のホワイトソックス戦は投げては101・6マイル(約163キロ)、打っては右中間に飛距離451フィート(約137メートル)の2号を放ったが、5日(同6日)のアストロズ戦では代打での出場だったがこの日はDHでフル出場。限界はないのか。

 フォルタネビッチと3度目の対戦となった5回一死無走者はカウント2―2から内角のボールゾーンから切れ込むフロントドアのツーシームに見逃し三振に倒れた。2番手の左腕キングとマッチアップした7回二死一、三塁は初球をぶつけられて死球だった。

 野球の持つ可能性をメジャーで体現し続ける大谷。米球史に間違いなく名前が刻まれるだろう。今後の活躍に期待しかない。

 大谷の話「とりあえず今日1本打てたのは良かった。(日米の)どちらも最初の1本はやっぱり思い出に残っている。やっぱり特別な1本かな」