エンゼルスの大谷翔平投手(27)は21日(日本時間22日)に本拠地アナハイムでのアストロズ戦に「2番・DH」で出場し、8回に10試合ぶりの一発となる45号を放った。6回にも右前打しており、今季37度目のマルチ安打をマークして、4打数2安打1打点だった。打率2割5分7厘。チームは5―10で敗れ、5連敗。

 エンゼル・スタジアムが大歓声に包まれたのは4―10の8回先頭だった。マウンドは2番手の右腕ハビエルだ。カウント2―1からの4球目、捕手の構えは外角だったが、93・8マイル(約151キロ)の直球は逆球で内角へ。大谷は自然なスイングで豪快にすくい上げた。完ぺきに捉えて角度26度で打ち出した116・1マイル(約187キロ)の光速ライナーはあっという間に右翼席中段へ飛び込んだ。

 10試合ぶりの45号は飛距離445フィート(約136メートル)の特大弾。これで2019年のトラウトに並び、球団2位タイとなった。今季37度目のマルチ安打とした。

 本塁打王争いのライバルのブルージェイズのゲレロ、ロイヤルズのペレスはこの日、不発で46本のままで、1本差に迫った。9月はようやく3本目だが、この一発をきっかけに一気に量産していきたい。

 予兆はあった。1―10の6回一死一塁で、先発右腕ウルキーディと3度目の対戦だった。初球、79・4マイル(約128キロ)の真ん中高めのカーブをフルスイング。インパクトの瞬間、衝撃的な音を発した109・1マイル(約176キロ)の弾丸ライナーは右翼の芝生に突き刺さるように着弾した。11打席ぶりの安打だが、上がっていれば…という凄い打球だった。

 初回一死無走者は直球2球で追い込まれ、3球目の内角高め94・3マイル(約152キロ)の直球はファウル。4球目の内角のカーブを角度19度で中堅に打ち返した。打球速度103・5マイル(約167キロ)の弾丸ライナーに歓声が上がったものの、中堅手がほぼ定位置で捕球した。

 1―3の3回二死無走者は初球、85・1マイル(約137キロ)の外角低めのボール気味のチェンジアップに手を出し、投ゴロに倒れた。

 残り11試合でうち、8試合が地区優勝を目指しているアストロズと2試合、ワイルドカードでのポストシーズン進出を目指す、マリナーズと6試合と徹底マークは続くだろう。キング獲得には包囲網を打ち破るしかない。

 1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」まであと1勝と迫り、ペース的には苦しくなったが50本の可能性を残し、本塁打争いを繰り広げている大谷。日米ファンの期待を背に最後まで戦い抜く。