エンゼルス・大谷翔平投手(27)の「勝ちたい」発言の余波が拡大している。ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)は28日(日本時間29日)に「大谷翔平(の態度)は明確だ。エンゼルスが(戦力を)強化するか、(チームを)去るか」という見出しのコラムを掲載した。

 大谷は先発登板した26日(同27日)のマリナーズ戦後の会見で「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きですけど、それ以上に勝ちたいという気持ちの方が強い」と衝撃発言。全米のメディアが「大谷がチーム状況に満足していないことを示唆した」と警告。同紙は地元紙だけに危機感はより強い。

 コラムを執筆したディラン・ヘルナンデス記者は「ペリー・ミナシアンGMの使命は2004年から09年までの6年間でポストシーズンに5回出場したモレノ氏がオーナーになった初期の状態に戻すこと」と指摘した。

 09年以降、エンゼルスがポストシーズンに進んだのはア・リーグ西地区を制した14年だけ。11年にメジャーデビューしたMLB屈指のスーパースター、トラウトのプレーオフ出場は14年だけで、地区シリーズ3連敗で敗退している。大谷はその舞台にすら立てていない。フラストレーションは相当たまっており、大騒ぎになるのは覚悟の上で言葉にするのも無理はない。

 メジャー4年目の大谷がFAになるのは早くて23年オフになる。今のチーム状態が続けば、2年後には迷わずFA移籍を選択するだろう。今季のような二刀流パフォーマンスを継続していれば、空前絶後の大型契約を手にする。

 今季のエンゼルスはトラウト、レンドンといった長期大型契約を結んでいる強打者が負傷で長期離脱した影響も大きいが、最大の課題は大谷と並ぶ先発投手の不在。昨オフのFA市場では地元出身のエース右腕、コールをヤンキースに奪われた。当然、今オフの最優先課題はエース級の投手の補強だ。失敗すれば2年後に宝を失う確率が高まる。オフに入ってからも大きな注目を集めることになりそうだ。