エンゼルス・大谷翔平投手(27)の「このままでは勝てない」発言が米経済誌フォーブス(電子版)を動かした。「大谷翔平はエンゼルスに対し、スーパースターを正当に扱うセカンドチャンスを与えている」との見出しで、大谷がレギュラーシーズン終了間際に「このままでは勝てない」「それ以上に勝ちたい気持ちが強い」と発言したことを大きく取り上げた。

「大谷は一世代に一人と言われる選手であり、マーケティングにおいては10億ドル(約112億円)単位の価値を持つ可能性を秘めたスーパースター」と大谷を高評価すると同時に、エンゼルスの球団運営に疑問符を付けた。

「マイク・トラウトというメジャーを代表するスーパースター選手を抱えながらも、エンゼルスは2015年からプレーオフ進出を逃している」

 本塁打王争いで緊張した打席を過ごした大谷は、個人ではなくチームでポストシーズンに進んで張り詰めた空気の中で戦いたいのだ。「再びプレーオフ進出を逃した大谷にとって、トラウトのような運命、球界一の選手という称号を得ながらワールドシリーズを勝つ現実的な可能性がない運命は避けたいだろう」

 同誌は「(潤沢な資金を誇る)球団オーナーのモレノ氏なら、たとえトラウトの4億2650万ドル(約478億円)やレンドンの2億4500万ドル(約275億円)の契約があっても2年後のFAを待たずに大谷に9桁の長期契約提示もできる」とした上で「これは球団が同じ過ちを犯さないために与えられたチャンス、今度こそスーパースターが成功するチャンスなのだ」と強調した。

「大谷は他球団へ移籍した方が儲かるとしても、二刀流として成功の機会をくれるエンゼルス、モレノ氏に頑張ってほしいと思っているのだ。今こうして意思表明したことで、モレノ氏やミナシアンGMには十分な時間が与えられた。進歩があれば、FAで移籍することもないだろう」

 今オフのエンゼルスの最大の課題は言うまでもなく投手陣の補強、それも2桁勝利を計算できる先発投手が少なくとも2人は必要だ。ミナシアンGMはどんな手腕を発揮するのか。一番注目しているのは大谷だろう。