ソフトバンクは30日のオリックス戦(京セラ)に4―5のサヨナラ負けを喫した。4―3で迎えた9回、岩崎翔投手(31)が一死一、二塁のピンチを背負うと宗に逆転サヨナラ打を献上。離脱した守護神の穴を埋められなかった。

 この日、王者のブルペンに緊急事態が起きていた。絶対的クローザー・森唯斗投手(29)が「左肘関節化膿性滑液包炎」のため出場選手登録を抹消。治療、静養のため約1週間の入院を余儀なくされたのだ。退院後の立ち上げにも時間がかかる見込みで工藤監督も表情を曇らせた。

 森の穴を全員で――。発奮してマウンドに向かった中継ぎ陣に気負いが生じたのかもしれない。開幕戦以来、白星から遠ざかっていた石川が7回2失点の粘りを見せてつないだゲーム。工藤監督は試合前、代役守護神について「日替わりになるところもある」と語り、相手や戦況に応じて重厚な中継ぎ陣を臨機応変に起用する考えを示していた。4―2の8回からはモイネロ。最強ストッパーに2番から始まる上位打線斬りを託した。だが、先頭・吉田正に今季初失点となるソロを献上して1点差に詰め寄られた。そして、本来は森が上がるはずの最終回のマウンドに送り出されたのが岩崎だった。

「石川の勝ち、チームの勝ちを消してしまい本当に申し訳ない。野手の頑張り、チームの期待に応えることができず悔しい」

 14年目右腕は、チーム今季初となるサヨナラ負けの責任を背負い込んだ。

 開幕から好投が報われない石川の2勝目が消え、自慢のリリーフ陣でひっくり返された。森がいなくなった日に、受け止めがたい結果だった。