巨人・中田翔内野手(32)に「脳内革命」のススメだ。巨人は1日のDeNA戦(東京ドーム)に3―2で競り勝ち連敗を5で止めた。何とかV戦線に踏みとどまったが、その陰で不振の中田が移籍後2度目の二軍落ちとなった。もがき苦しむ背番号10に復調はあるのか。そんななか周囲からは「パ・リーグの野球は忘れた方がいい」との声が飛び出した。

 エース・菅野が6回2失点と粘投を見せると、6回に丸がチーム24イニングぶりの得点となる同点2点適時打を放った。さらに7回一死満塁、ベテラン亀井の勝ち越し中犠飛で逃げ切った。連敗を5で止め首位・ヤクルトと5ゲーム差をキープした。

 原監督は「我が軍の野球をね、どういうふうにやるかというね。今日もやっぱりまだまだ詰めの甘いところはありますし」と12安打で3得点の攻撃に注文も「でも今日勝利したというところで、さらに上乗せしていきたいと思っています」と白星を喜んだ。

 だが、その歓喜の輪の中に背番号10の姿はなし。この日の一塁スタメンには4月10日の広島戦以来、約6か月ぶりに捕手・大城が入った。試合前の公示で中田と秋広が登録抹消。代わりに広岡と重信が登録されていた。

 やむを得ない決断だった。9月21日の再昇格後、中田は24打数2安打、打率8分3厘と低迷。ライバル球団からは「中田はいつまでもパ・リーグ時代のまま。セ・リーグの攻め方を学ばないと何も変わらない」と〝安パイ〟と見られていたという。

 どういうことなのか。「パワーピッチャーが少ないセでは、直球での力勝負はほとんどない。基本は変化球でかわす投球。今の中田は低めのボールになる変化球をすべてスイングしている。打順も下位にいれば、四球OKでいい。打てるボールは必要ない」(前出のライバル球団関係者)

 9月11日に1度目の抹消となった中田は二軍でロッテ、楽天相手に5戦4本塁打と大爆発を見せ、最短での一軍再昇格を決めた。その一方で同19日の二軍ヤクルト戦(G球場)では4タコに終わっている。

 セ・バッテリーの配球パターンを体に染みつかせない限り、安定した活躍は難しいとの見立て。幸いイースタン・リーグは3日に最終戦を迎える。11日のフェニックス・リーグ(宮崎)開幕まで練習日が続き、過去のセのデータを分析する時間は十分にある。

 シーズン最終盤、さらにCS、日本シリーズを考えれば中田の復調は大きな戦力となる。もちろん日本ハムで過ごした14年間は中田の野球人生そのもの。成功体験も含め脳内を一度、ゼロにできるどうかが、中田復活のカギを握りそうだ。