評価急上昇だ。国際大会「プレミア12」は日本の優勝で決着。今オフ、メジャー挑戦を目指す秋山翔吾外野手(31=西武)は大会直前の負傷で離脱したものの、菊池涼介内野手(29=広島)が出場した。2人の去就も気になるところだが、諸外国選手や現場関係者に、そのほかの選手で「メジャーで通用しそうな選手は誰か?」と聞くと…。

 今大会を通して最も評価を高めた侍といえば、MVPにも輝いた4番・鈴木誠也外野手(25=広島)だろう。

 その鈴木には「日本代表の中では浅村と並んで米国、メキシコのムービング系投手にまったく力負けしなかった。相手投手に合わせてタイミングの取り方を変えられるスマートさも魅力。何より打つだけでなく走れて守備力もある。その総合力が群を抜いている。仮に今年FAだったら(日本人では)一番の人気銘柄になる可能性がある」(ア・リーグスカウト)とメジャーからも高評価が相次いだ。

 もちろん現場の評価も高く今季、阪神でプレーしたメキシコ代表のエフレン・ナバーロ内野手(33)は「日本でワールドクラスなのは坂本勇と鈴木。特に鈴木のバットコントロールは素晴らしいしパワーもある。ワンスイングで球場の雰囲気を変えられるバッター。将来はメジャーリーグを目指すべき。自分も阪神から見ていて、とても脅威だった。すぐに行けるのかどうか、分からないけど行った方がいい」と話した。

 ちなみに今プレミア12で成功率100%の4盗塁と足でその存在感を見せつけた「代走侍」周東佑京外野手(23=ソフトバンク)について、メジャーの評価は辛口だった。
 
 多くのスカウトが口を揃えたのが「走るだけでは評価は難しい」というもの。あるア・リーグのスカウトは「現状25人枠(来季から26人)という限られたベンチ枠に“スペシャリスト”という枠はない。足の速い選手というのは各チームがマイナー組織に何人も抱えている。そこからユーティリティーとしてメジャー契約をつかむには、やはり打力がなければダメ。加えて守備力もあるに越したことはない。最低でも青木(ヤクルト)ぐらいのものが欲しい」と本音を語った。
 
 常日頃、NPBで調査を続ける彼らのスカウティングの基準は「メジャー契約ができる選手」がその評価の対象。その最低限の基準に周東が到達するためには、現状プラス「打力の向上」が絶対条件となってくる。