明石家さんま(64)が日本テレビから“まさかの指令”を下された。先日、日テレの2020年東京五輪中継のキャプテンに就任したばかりだが、来月11日に開幕する同局の「FIFAクラブワールドカップ カタール2019」のスペシャルサポーターにも就任。2大スポーツの祭典で“番組の顔”になるとは、さすが大物芸人!といったところだが、日テレはさんまに「笑いはいらない」と仰天注文を出したという。いったいどう意味なのか――。

 日テレの起用はなんとも大胆だった。

 来年7月に開幕する東京五輪にさんまをキャプテン、くりぃむしちゅーの上田晋也をスペシャルサポーター、フリーアナウンサーの有働由美子をスペシャルキャスターに据えることを決定(本紙既報)。さらに、クラブW杯にもさんまをスペシャルサポーターとしてキャスティングしたのだ。2大スポーツの祭典でさんまが番組の顔となるわけだが、これには裏事情があるという。

 日テレ関係者の話。

「五輪については、日テレはもともと嵐の櫻井翔を起用しようとしたのですが、すでにNHKのメインパーソナリティーになることが決まっていたのです。そこで局と縁の深いさんまになりました。クラブW杯は五輪のシミュレーションという意味があるんですよ」

 さんまは2000年シドニー五輪から5大会連続で夏季五輪中継に出演してきた。6大会目となる今回、キャプテンとなれば、お笑い界のトップに立つ芸人としてこれ以上の名誉はない。

 だが、日テレはもろ手を挙げて歓迎しているわけではないようだ。

「問題なのは不規則発言です。五輪はその国の代表選手たちが4年間必死に戦って試合に臨んでいる。そんなところへ、ダジャレやギャグは寒々しくなるんですよ。確かにさんまは五輪中継の経験はありますが、メイン出演者としてキャプテンとなればリスクははるかに高い」(同関係者)

 苦い記憶として思い出されるのは11年12月のクラブW杯だ。この大会は、欧州代表のバルセロナが南米代表のサントスを破って頂点に立ったが、優勝セレモニーでチームメートが歓喜に浸る中、メッシだけが特設スタジオに呼ばれる場面があった。

 すると、さんまはメッシに「老後はどうしはるんですか?」と思いっきり空気の読めない質問をして、猛バッシングを受けたのだ。

「メッシは『まだ引退まで時間があるので、終わったら考えます』と一応答えましたが、明らかに不機嫌そのもの。このことは海外にも伝わり『日本のコメディアンが失敗した』と笑われたほどです」(芸能関係者)

 もちろん、さんまとしてはありきたりの質問は避けたかったに違いない。メッシからの回答を笑いにつなげ、盛り上げたかったのだろうが、さすがに場にそぐわなかった。そこで今回、日テレはこんなオーダーを出したという。

「『笑いなしで、真剣に話してください』とお願いしたそうです(笑い)。24時間365日笑いのことばかり考えているさんまにとって“死刑宣告”も同然ですよ」(前出の日テレ関係者)

 さんまといえば、闇営業問題で芸能活動を休止している宮迫博之のために、21日に業界関係者向けの激励会を開いたばかり。その会も日テレ仕切りで行われただけに「もう同局に頭が上がらない可能性はある。笑いなしというオーダーも、のまざるを得ないかもしれない」と同関係者は言う。

 さんまが笑いなしで真剣に解説するのなら、さんまでなくてもよさそうだが…。いったい、どんな番組さばきになるのだろうか。