約3万8000人がエントリーしていた都会の祭典「東京マラソン」(3月1日)の一般参加枠消滅で、東京五輪を目指すカンボジア国籍のお笑い芸人でランナーの猫ひろし(42)も出場できなくなった。

 猫はインスタグラムへの投稿で「外国人準エリート枠の私も今回の東京マラソンは走れず。(中略)さて、一回気持ち整理して早く次のレース探そう」と無念の胸中を明かした。3月5日に出演するイベントも「東京マラソン走れなくなって台本やり直しニャー!」と気持ちを入れ替えた。

 エリート参加には(1)日本陸連に2019年度の競技者登録、(2)レース当日に満19歳以上、(3)国内外の公認大会で17年2月以降に指定の公認記録(男子の場合、マラソンで2時間21分以内など)を出す――をすべて満たすことが資格とされる。猫は(1)と(3)に該当しない上、すでにエリート選手も海外招待選手も発表されており、出場は消えた。

 東京マラソンの常連とも言える猫は、2015年に2時間27分48秒の自己最高を記録している。カンボジア代表でのマラソン歴も豊富だが、昨年12月の東南アジア大会で2時間53分34秒で10位と振るわず、2大会連続の五輪出場に「黄信号」と報じられていた。

 東京五輪の参加標準記録(2時間11分30秒)もクリアしていないが、前回リオデジャネイロ大会と同様にスポーツ後進国などに与えられる特別枠でカンボジア代表として出場する道は残されているとみられる。コースを知る東京ではずみをつけたいところだったが、路線変更を強いられた。

 一方、中継局のフジテレビにも影響が及んだ。日本テレビと1年おきに担当しているが、ローテーションの関係でこれまで五輪イヤーの中継は日テレだった。初の五輪イヤーの東京マラソン中継は、フジ開局60周年記念特別番組として、関ジャニ∞の村上信五をメインキャスターに据えて放送する。榎並大二郎、佐々木恭子ら5人のアナウンサーが出場して花を添える予定だったが、幻に終わった。