ノア11月2日の東京・両国国技館大会で、拳王(34)とのV6戦に臨むGHCヘビー級王者・清宮海斗(23)が2日、天才の苦言を糧に防衛ロード再開を誓った。昨年12月のベルト奪取から快進撃を続けて新生ノアの柱となったが、先日はその鼻っ柱をへし折られる一幕も。業界の若き至宝に辛辣な言葉を送ったのは“あの男”だ。

 両国大会でリーグ戦「N―1 VICTORY」覇者の拳王との頂上決戦を迎える清宮は、早くも前哨戦で新技ストレッチプラム式フェースロックを投入し、優位に立つ。「N―1不参加の間、何をしてきたかを見せないといけないですし。両国に向けていろいろ考えてきたので。これからあの技を高めるために、川田(利明)さんのところに行きたいとも思ってます」と明かした。

 リーグ戦に出場しなかったからこそ、得られた経験もある。先月16日の大阪大会ではW―1の武藤敬司(56)、全日本プロレスの秋山準(49)との初共闘が実現。「全員が中心を狙っているというか、中心の取り合いみたいな感じでしたね」と、キャリアを重ねても衰えぬ2人の我の強さに刺激を受けた。

 特に印象に残ったのが、武藤の言葉だ。表向きのバックステージでは高評価を受けたが、大会後に関係者を通じて「無理してやってるんじゃねえかって感じがする」と手厳しい指摘を受けたという。試合前は「おう、適当に頑張れ」とろくにアドバイスすらくれなかったが、見るところは見ていたのだ。

 清宮は「背伸びしているっていう意味の言葉だと思うんですけど。もしかしたら自分らしさを見失っていた部分もあるかもしれない。もちろん自信は出てきていましたけど、まだまだ自分は若いだけだなって」と真摯に受け止めた。もちろん武藤も、若き王者の伸びしろを感じているからこそ、あえて辛口の“エール”を残したに違いない。

「忘れられない経験だったからこそ、そこで終わるんじゃなくて、そこからどうなったのかを見せていきたい。まずは両国でしっかり清宮海斗のプロレスを見せて、ノアの快進撃につなげたいですね」。今度は臆することなく業界のビッグネームと渡り合う日を見据え、王者としてさらなる成長を遂げる。