勝利のピコピコハンマー!? ラグビー日本代表は17日、都内でW杯日本大会準々決勝南アフリカ戦(20日、味スタ)に向けてトレーニングを行った。1次リーグ4連勝で初のベスト8達成にはチームスローガンの「ONE TEAM」が大きな後押しとなったが、結束力強化にひと役買ったのは選手やスタッフが参加するレクリエーションタイムだ。激戦の合間に何をしているのかというと――。

 CTB中村亮土(28=サントリー)が16日夜、自身のSNSで大一番を控えるチームとは思えない様子の動画をアップし、ネット上で話題になっている。なんとジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=49)とフッカーの堀江翔太(33=パナソニック)がピコピコハンマーゲームで勝負しているのだ。

 このゲームは、じゃんけんで勝ったほうがハンマーで頭を叩き、負けたほうはヘルメット(プラスチック製)で防御しきれなかったら負けで、最後は堀江の勝利で幕を閉じた。この日の練習後、取材に応じた“勝者”は「(対戦は)ジェイミーと僕がくじで選ばれた。ジェイミーの(ハンマーを叩く)力はゲームの力じゃなかったけど、そこは日本人らしくスキルで(勝った)」と笑みを浮かべた。

 中村の投稿で公になったが、レクリエーション開催は恒例行事だという。堀江は「チームを一つにということ。あれが初めてではなくてけっこうやっている」と説明。SH田中史朗(34=キヤノン)は「週に1回はやっている。(2011年W杯で日本を指揮した)ジョン・カーワンのときはやったけど、エディー・ジョーンズ(前HC)のときはなかった。誰もエディーの頭はしばけなかったので」と苦笑いで補足した。

 レクリエーションでは、ワニの歯を一人ひとり押していくと誰かがかまれてしまうおもちゃを使ったり、それぞれがストッキングを頭からかぶってつなげた状態で引っ張り合う、「ダチョウ倶楽部」や「森三中」がやりそうなゲームなどを行っている。どれも大盛り上がりで、田中は「スタッフと選手が交じって何かするのはチームにとっていい刺激になっている」と効果を実感している。

 さらには選手の有志が宿舎近くのカフェに繰り出してリラックスタイムを過ごすなど、チームの一体感を高めてきた。ピッチ外でピコピコと強化された“ワン・チーム化”で、次なる目標である8強の壁突破を目指す。